英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正をする際に登場する英文契約書用語の一つに,Enter into...があります。
英文契約書で使用される場合,通常,「(契約)を締結する」という意味を表します。
具体的には,enter into a contract/an Agreementとした場合,「契約を締結する」という意味になります。
The paries enter into this Agreement which is in effect as of X(当事者は本契約を締結し,本契約はX日に効力を発する)などとして,英文契約書の冒頭部分によく登場します。
類義語としては,concludeがあります。こちらも「(契約)を締結する」という意味で契約書で使用されることがあります。
ただ,より一般的なのはenter intoのほうだと思います。
なお,execute this Agreementという用語もenter intoとともによく登場しますが,こちらは「本契約書に署名する」という意味です。
その他,enterを伴った法律用語として良く使われるのは,enter into forceという表現で,これは「(法律や条約など)が発効する」という意味で使用されます。
英文契約書を読む際に,冒頭部分のenter into this Agreementという表現は定型文句なので,特に意識していないと思いますが,たまに冒頭部分で契約を締結することを適切に表現できていない契約書をみかけます。
冒頭部分で当事者がその契約書に記載した条件に法的に従う意思を表明した=契約を締結したということをきちんと表現していないと,あとでその文書の法的拘束力をめぐって紛争になるおそれがあります。
そのため,定型性が高い冒頭部分といえども,きちんと内容に問題がないかチェックするようにしましょう。