英文契約書を作成,チェック(レビュー),翻訳(英訳/和訳),修正する際によく登場する英文契約書用語に,Relieve, exempt, excludeがあります。
これらは,英文契約書で使用される場合,通常,「(義務・責任などから)解放される,(義務・責任などを)免除される」という意味です。
免除/免責規定のことを,それぞれ名詞にしてexemption clause, exclusion clauseなどと表現します。
義務や責任全てを免除することを,上記のようにexemption clause, exclusion clauseなどと呼ぶのに対し,損害賠償の額に限度を設ける場合など,責任を一部に制限するような条項は,limitation clauseと呼称します。
Limitation clauseの場合は,例えば損害賠償の金額に上限を設定し,それを超える賠償は必要ない=免責されるという内容になります。
つまり,責任の一部免除を意味することになります。
これに対し,責任全部の免除の例としては,例えば,The Seller shall be exempted from such obligation if...(…の場合,売主は当該義務から免責される)などと規定されます。
また,excludeは「…を除外する」という意味でも英文契約書でよく使用されます。
例えば,...X and Y, excluding...Z(Zを除いたXおよびY)などとして登場します。
この場合の対義語はincludingで,こちらは「…を含む」という意味になります。
さらに,...を含むもののそれらはあくまで例示であり,例示されていないものを排除する趣旨ではないということを表したいときは,including without limitation...やincluding but not limited to...という表現を使用します。
このincluding without limitation...やincluding but not limited to...という表現は,「例示列挙」と呼ばれるものを表していますが,反対に,挙げられた例に限り,それ以外は認めないというものを「制限/限定列挙」と呼びます。
「制限/限定列挙」をしたい場合は,limited to...とすれば…の例に限られるということになります。
このように,英文契約書で何らかの事由を定め,具体例であるXを含ませたいときはincludingを使い,逆に含ませたくない場合はexcludingを使用します。
当然ですが,契約書において,責任の免除に関する内容や,何が含まれ何が含まれないのかという内容は非常に重要です。
したがって,relieve,exempt,excludeなどの表現が登場した場合は,非常に重要な内容である可能性が高いので,注意深く契約書を審査するようにしましょう。