英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正をする際に登場する英文契約書用語に,On or before Xがあります。
これは,英文契約書でよく使われる表現で,「X日までに」という意味です。
なお,この表現ではon があるのでX日当日を含みます。
このように,当日を含むのかどうかについても,曖昧な表現ですと,後に問題になる可能性がありますから注意が必要です。
X当日を含めない場合は,before X と規定します。
つまり,on or before Xとすると,on Xで当日を指し,before XでXより前の日を指すことになるのです。
そのため,例えば,on or before 12thとすると,12日以前(12日またはそれ以前)という意味になるわけです。
特に契約解除に繋がるconditionとして履行期などを定めた場合は重要です。
なぜなら,その日までに義務を履行できないと,損害賠償請求とともに,契約の解除を主張されるおそれがあるからです。
特に海外取引では,国内取引に比べて履行期を遵守するハードルが高くなりますから,安易に履行期を約束したり,履行期を過ぎた場合のペナルティを重くしたりしないようにしましょう。
ちなみに,より曖昧さを残さないために,before X (exclusive)(X日まで(当日を含まない))などと規定することもあります。
Exclusiveという表現が加わることにより,X当日を排除することがより明確になるわけす。
特に海外企業との取引では誤解が生じやすいですから,このようにしつこいくらいに意味を明確にしておくことも大切な姿勢です。