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 英文契約書のうちConsulting Agreement(コンサルティング契約・顧問契約)を作成する際の主な注意点について解説します。

 

 ① サービスの範囲

 コンサルティング契約については,どのような項目についてコンサルティングをするのか,その業務内容・範囲(Scope)があいまいな場合が見受けられます。

 

 別紙(Exhibit/Appendix)を利用するなどして,いかなる事項についてコンサルティング・顧問業務を行うのかを明確に定める必要があります。

 

 そうでないと,後にサービスを提供する側としては,要求されたことまでは契約に含まれていないので別料金だと主張したい場合もあるでしょうし,逆にサービスを受ける側としてはここまでは含まれているはずだと主張したい場面も出てきて,紛争になりがちだからです。

 

 コンサルティング契約や業務委託契約(Service Agreement)の肝の1つがサービス・業務の範囲の特定だと理解しましょう。

 

 ② 費用

 コンサルティングの対価として支払われるべきコンサルティング費用・報酬(Consulting Fee)を定めることは当然です。

 

 この場合,実費の扱いについても規定して下さい。コンサルタントがコンサルティングに必要な調査・業務をして実費(交通費や宿泊費など)がかかった場合に,どちらが負担するかを規定していないとその取扱いをめぐって紛争になる場合があります。

 

 国際取引の場合,国境をまたいだ出張になることがありますので,航空機やホテルの費用のグレードについても予め定めておいたり,事前に委託者の承諾が必要と定めておいたりしたほうが無難です。

 

 また,出張などをした場合に,日当などを受け取る権利が生じるのかなどという点についても明確にしておくべきでしょう。

 

 ③ 免責条項(Disclaimer)

 コンサルタントにとっては,コンサルティング結果についていわゆる免責条項(Disclaimer)を定めることが重要です。

 

 免責条項(Disclaimer)とは,コンサルタントが何か意見を述べたり,意見書などを提出した場合に,その内容の真実性や有用性については保証せず,コンサルティングの結果に基づきサービスの受領者が取引などをして損失を出したとしてもそれについては責任を負わないと定めるものです。

 

 コンサルティングはあくまでアドバイスにとどまるものであり,そのアドバイスを利用した場合の結果についてまで責任を請け負うものではないからです。

 

 なお,日本法でもこの手の準委任契約においては,コンサルタントが善良なる管理者の注意義務を負っています。

 

 また,英文契約書にも,コンサルタントに対し,コンサルティングを行うに当たってはこのような義務,due diligence(デュー・デリジェンス)やdue care(デュー・ケア)またはreasonable effort(リーズナブル・エフォート)などを尽くすように義務を課すのが一般です。

 

 ただし,前述したとおり,コンサルティングはあくまでアドバイスの域を出ず,これに従い行動するのは企業です。

 

 したがって,上記のような義務を尽くしたにもかかわらず,コンサルティングの内容が例えば事実に反するようなことがあった場合に,それに基づいて行った事業活動が失敗したからといってコンサルタントが責任を負うとうのは酷だと考えられます。

 

 そのため,このような条項を定めることが一般的です。

 

 ④ 契約期間・更新・中途解約

 継続的な契約についておよそ当てはまることですが,契約期間(Contract Term)を明確にし,更新(Renewal)の時期と条件も明確にしておくことが必要です。

 

 また契約期間中に解約(Termination/Cancelation)ができるのか,その場合のペナルティはどのようになるのかについても明確に定めた方がよいでしょう。

 

 契約の解除については,契約解除条項(Termination Clause)で定めるのが一般的です。

 

 更新条件が不明確だと更新後にどれだけ続くのか,更新後の中途解約(Termination without Cause)はできるのか,何回更新が続くのかなどが読み取れなくなってしまいます。

 

 コンサルティングを受ける側からすれば,コンサルティングが不必要になった時に短い予告期間で,何らのペナルティもなく中途解約できるという条項を定めるのが良い場合が多いでしょう。

 

 ただし,これは裏を返せばコンサルタントにとっては不利益になる可能性があるので,利害調整の結果,妥当な予告期間を定めるなどする必要があるでしょう。

 

 ⑤ 守秘義務・競業禁止

 コンサルティング契約では,委託者がコンサルタントに対し,自社のセンシティブな情報も開示することになります。

 

 これを不正利用されたり,競合他社に開示されたりすると,委託者にとっては大打撃になることがありえます。

 

 そのため,委託者がコンサルタントに開示する一定の情報については機密情報として取扱い,不正利用や第三者への開示を禁止する必要があります。

 

 そこで,いわゆる守秘義務条項(Confidentiality Clause)を入れるのが普通でしょう。

 

 また,独占契約などの場合は,一定の期間および範囲内で,コンサルタントが同業他社に対してコンサルティングを提供しないという競業禁止規定のような条項を入れることもあります。

 

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