Prospective(英文契約書用語の弁護士による解説)
英文契約書を作成,チェック(レビュー),翻訳(英訳/和訳),修正する際に登場する英文契約書用語に,Prospectiveがあります。
これは,英文契約書で使用される場合,通常,「予想される/期待される」という意味で使用されます。
例えば,まだ実際に訴訟提起がされていないので,実際の被告ではないが,被告となる場合にはという将来のケースを想定する際は,英文契約書ではprospective defendantなどと表記します。
原告であれば,prospective claimant (plaintiff)ということになります。
英文契約書では,どの国の法律を適用するかという準拠法の問題と,紛争が生じた場合にどの場所でどういう方法で解決するかを定めるのが通常です。
これらの国や場所の選定については,当事者間で折り合いがつかず,交渉が長引くということもままあります。両当事者が自分の国を選択したいという意向を持つ場合が多いためです。
その場合,両当事者の属する国以外の第三国を採用したり,被告となる方の地の法律を適用し,被告となる方の地の管轄裁判所で裁判をするというように定めることがあります。
その場合,まだ訴えられていない交渉段階でも,被告となる方の地の法律を適用するという定めをしたい場合に,このprospective defendantという用語を使用します。
また,英文契約書で登場するというのとは少し違いますが,訴訟を行った場合に勝てる見込みを表すときにもこのprospectiveという用語が使用されることがあります。