Revenue share(英文契約書用語の弁護士による解説)
英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正する際によく登場する英文契約書用語に,Revenue shareがあります。
これは,英文契約書で使用される場合,通常,「利益分配」というような意味で使用されます。
Revenueは「収益」という意味で使用されます。
企業同士が何らかの事業を共同で行い,その事業で上げた利益を分配するというような取り決めをする際に,このRevenue share(レベニューシェア)という用語がよく使われます。
このRevenue shareを採用する際に気をつけなければならないポイントとしては,当然ですが,レベニューシェアの対象となる利益や売上の計算方法を明確化しておくことと,分配率を取り決めその分配率の計算方法(含めるものは何で,控除するものは何かなど)をはっきりと取り決めておくことです。
よく問題になるのは,レベニューシェアのシェア率だけは明確に取り決められているものの,対象となる売上や利益をどう算定するのかが曖昧であったり,かかった実費などをどう扱うのかがよくわからないという場合です。
そのため,Revenue shareを採用する際には,分配率を定めて安心するのではなく,売上や利益の算定方法もきちんと定めておくことが大切です。
言うまでもありませんが,共同でビジネスを行う際に当事者が大きな関心を寄せるのがいくら自分が利益を得られるのかという金銭面です。
Revenue shareはこの金銭面に直結する取り決めのため,穴があると重大なトラブルになりやすいです。
国際取引で会計用語などを使用する際に注意しなければならないのは,自社が例えば粗利益の意味で使用していたつもりの用語を,相手方は営業利益として理解していたなどということにならないようにすることです。
そのため,理想としては,計算式なども記載し,どのようにその収益が計算されるのか,誰が見ても一義的に明らかにすることです。
以上から,Revenue shareを採用する際には,抜けがないように計算方法の詳細に至るまできちんと定めておくことが大切です。