Drop ship(英文契約用語の弁護士による解説)
英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正をする際によく登場する英文契約書用語に,Drop shipがあります。
これは,英文契約書で使用される場合,通常,「直送/直送する」という意味で使用されます。
名詞としても使われますし,動詞としても使われます。
例えば,三国間貿易などでこのDrop ship(直送)が使われます。
A,B,Cの3社が当事者となって,Bが仲介者となるものの,商品はAから直接Cへ輸送されるような場合に,Bを飛ばして直接Cへ輸送する,つまり,直送するという意味でこのDrop shipという用語が契約書に登場することがあります。
上記の例のように,当事者が2者ではなく,3者以上になる場合,商流がどのようになるのかは,当然ですが,誤解がないようにきちんと事前に詰めておかなければなりません。
商品がどのように流れるのか,代金はどのような流れで支払われるのかを全当事者が正確に理解して取り決めをしないと,当たり前のことですが後でトラブルになってしまいます。
上記の三国間貿易でいえば,商品はAからCへ直送されますが,代金はCからBに支払われ,BからAにさらに支払われることになります。
仲介者であるB(第三国)がAとCとの間の商品代金の決済と書類のやり取りを代行するようなイメージが三国間貿易です。
このように,3者以上が取引に関わると,商品の流れとお金の流れは必ずしも同じようにはなりませんので,注意が必要です。