Shortfall(英文契約書用語の弁護士による解説)
英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正をする際によく登場する英文契約書用語,Shortfallについて弁護士が解説しています。
これは,英文契約書で使用される場合,通常,「不足/未達」という意味で使用されます。
金銭などで何らかの目標額が定められている場合に,その目標金額よりも少ない金額になっていて不足額が生じているときの不足額のことをshortfallと呼んだりします。
例えば,独占的販売店契約(Exclusive Distribution/Distributorship Agreement)では,最低購入数量(Minimum Purchase Quantity/Amount)が定められるのが普通です。
この最低購入数量(Minimum Purchase Quantity/Amount)は,単にノルマとかミニマムと呼ばれることがあります。
このノルマを販売代理店が達成することができずに不足が生じる場合に,その不足額のことをshortfallと表現することがあります。
もし販売代理店がノルマを達成できなければ,契約書上,何らかの制裁が用意されていることが通常です。
制裁の具体例を挙げると,例えば,ミニマムを達成できなければ,①販売店契約を解除する,②独占契約を非独占契約に切り替える,③ミニマムの不足額を支払わせるなどです。
上記のうち③の制裁を規定する際にshortfallという用語が使われることがあります。
他にも,販売代理店側の救済措置として,もしノルマ未達の場合,制限期間を延長してプラスαの期間中に未達分を買い増せば制裁を発動しないという内容が規定されることがあります。
この場合も「未達分」を表す用語として,shortfallが使われることがあります。
当然ですが,特に販売代理店にとってミニマムに到達できなかった場合の制裁がどのようなものかは重大な問題です。
また,もしミニマムを達成できなかった場合でも,救済措置があるのであれば,その内容も販売代理店にとって大切です。
これらに関わる用語がこのshortfallという用語ですので,この用語が登場した際は,未達額をめぐってどのような制裁や救済が定められているのかを注意深く審査する必要があります。