イギリス(英国)進出・子会社設立・ビザ・イギリス企業との取引上の問題など

 

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  周知のとおり,日本の内需縮小などの影響から海外に拠点を移したり,子会社を設立する動きが活発化しています。

 

 

 このような流れの中,イギリスに事業展開(販売店・代理店指名など)したり,子会社(販社)を設立したりするという企業のサポートをしております。

 

 

 約3年間のイギリス経験の中で培った信頼出来るイギリスの弁護士・会計士などとの協力関係を活かし,連携して日本法人のイギリス展開をサポートしています。

 

 

 以下のサービスを,日本語で提供しております。


  •  会社設立手続き
  •  オフィスや店舗の借受け(事前に賃料などが調べられます)
  •  銀行口座の開設サポート
  •  雇用契約などの構築
  •  就労ビザ
  •  会社法に関する問題
  •  コンプライアンス
  •  会計・税金に関する問題

 

 

 とりわけ,現地での雇用問題は,日本法とは全く異なっておりますので,取り扱いに誤り,遺漏が生じないように準備する必要があります。

 

 

 ヘッドハントした役員・従業員が,前職において競業避止義務や,守秘義務を課されている場合など,注意しなければ,貴社に損害賠償請求などが飛び火するリスクもあります。

 

 

 日本法人がオペレーション面,法務面などにおいていかなる方法・程度で子会社(販社)をコントロールするかについても慎重に検討しなければなりません。

 

 

 もちろん,イギリス企業との取引を検討されている企業様,契約解釈を巡っての取引上のトラブル,売掛の問題などが生じている企業様などからのご相談も取り扱っています。

 

 

 イギリス法関連でお困りの方は,こちらからお気軽にお問い合わせ下さい。

 

イギリス会社法の概要(Companies Act 2006)

 

 

 イギリスの会社法に相当するものは,Companies Act 2006と呼ばれる法律です。ここでは,株主に関する内容を中心に,その概要について説明します(2013年時点)。なお,以下はPrivate Company(非公開会社)を前提に説明しています。

 

 

1. 定款について

 

 このイギリス会社法の下でも,日本と同様,広く定款による自治が認められています。したがって,定款に定めた内容は,一定の例外を除いて,基本的にそのまま効力を有するものとして尊重されます。

 

 

 もっとも,モデル定款が公表されており,日系企業もこのモデル定款にしたがって定款を作成している場合が多いです。

 

 

 モデル定款はこちらのサイトで参照することが可能です。

 

 

2. 株主総会決議の種類

 

 イギリス会社法において,重要な決議方法については,Ordinary Resolution(普通決議)Special Resolution(特別決議)があります。

 

 

 普通決議は,株式総数(※厳密には挙手による決議がありうるため,必ずしも株式総数ではないのですが,ここでは一般的な場面を想定しています。)の過半数の賛成により可決するものです。

 

 

 普通決議で行う決議事項として重要なものは,取締役の選任または解任(イギリス会社法168条),利害関係人(例えば取締役)と会社との取引についての承認(イギリス会社法190条)などが挙げられます。

 

 

 特別決議については,株式総数の75%以上の賛成により可決します。

 

 

 特別決議により決議すべき事項として重要なものは,例えば,定款変更(イギリス会社法21条1項),社名変更(イギリス会社法77条1項),減資(イギリス会社法641条1項(a)1),解散(Insolvency Act 1986の84条1項(b))などが挙げられます。

 

 

 したがって,日本法人がイギリス現地法人を一応コントロールするには過半数,定款により支配権を得るには75%を取得する必要があることになります。

 

 

 なお,株主総会の定足数は,1人株主以外の場合は2となっています(イギリス会社法318条)。ただし,定款により別の定めを置くことが可能です。



3. その他招集株主の権利

 

 少数株主が行使できる権利として重要なものは,5%以上の株式を有する株主は,株主総会の招集を取締役に対して要求できる(イギリス会社法303条)という権利が挙げられます。

 

 

 また,保有率を問わず,株主であれば行使できる権利として,重要なものは,会社の前年度の会計書類(Annual Accounts)の謄写権(イギリス会社法431条),株主名簿の閲覧・謄写権(イギリス会社法116条),株主代表訴訟(イギリス会社法260条から264条)などが挙げられます。


イギリス賄賂防止法(Bribery Act 2010)の概説

 

 

 イギリスに子会社などを設立して進出した日本企業にとって重要なイギリス法の一つに,Bribery Act 2010(賄賂防止法)があります。

 

 

 なお,同法のガイダンスが,Ministry of Justice(法務省)から出されています。

 

 

 イギリスに事業展開している日本企業が,Bribery Actにおいて特に注意する必要がある条項は,7条のFailure of commercial organisations to prevent bribery(法人による賄賂防止義務違反)です。


  

 仮に法人が同条に違反した場合,罰則としては上限のない罰金とされており,アメリカのFCPA(Foreign Corrupt Parties Act)の日本企業への適用事例なども見るに,罰金額が巨額になるおそれがあるため,注意が必要です。



 以下,簡単に説明します。


1. 適用対象となる法人


 Bribery Act 7条の適用対象となる法人は,7 (5) aに「a body which is incorporated under the law of any part of the United Kingdom and which carries on a business (whether there or elsewhere)」と規定されています。



 つまり,イギリス法に基づいて設立された法人を指しています。したがって,日本企業がイギリス法に従って設立した子会社はこの定義に当たります。

 

 

 そのため,仮に当該子会社が贈賄行為を行った場合,当該子会社は原則として賄賂防止義務違反として罰せられることになります。

 

 

 次に,7 (5) bには「any other body corporate (wherever incorporated) which carries on a business, or part of a business, in any part of the United Kingdom」と規定されています。



 つまり,イギリスのどこかで事業の一部または全部を行う法人がこれに該当することになります。

 

 

 したがって,例えば,日本企業がイギリスに駐在事務所などを置いて直接事業活動を行っていれば,当該日本企業は,賄賂防止義務の対象となり,これに違反すれば処罰されます。

 

 

 問題は,前述の子会社の例です。親会社たる日本企業が子会社を利用してイギリスにおいて事業の一部を行っていると認められてしまうと,子会社が賄賂防止義務違反を問われるのはもちろん,日本企業である親会社も罰せられることになってしまいます。

 

 

 この点,法務省のガイダンスは,その36において,「having a UK subsidiary will not, in itself, mean that a parent company is carrying on a business in the UK, since a subsidiary may act independently of its parent or other group companies」と述べています。

 

 

 要するに,「子会社は親会社から独立して事業を行うことが認められているから,子会社を有するということ自体は,直ちに親会社がイギリスにおいて事業を営んでいるということを意味しない」ということです。

 

 

 ただし,「in itself」と留保されている点,また,同36では,イギリスで事業を営んでいると認定できるかどうかは「common sense」(社会常識)によるとしていることからも,例えば,親会社が子会社の事業を一定程度管理・コントロールしているような場合には,当該親会社もBribery Actの7条の対象となる可能性があるとも考えられます。

 

 

 したがって,親会社またはグループ会社についても,慎重を期して,Briber Actに対応したグローバルコンプライアンスの体制を整えることが安全と言えます。

 

 

2. 贈賄行為の主体と禁止行為

 

 法人がBribery Actの7条において,贈賄行為の主体となる者とその禁止行為については,(1)に以下のとおり規定されています。

 

 

 「A relevant commercial organisation (“C”) is guilty of an offence under this section if a person (“A”) associated with C bribes another person intending—

(a) to obtain or retain business for C, or

(b) to obtain or retain an advantage in the conduct of business for C.」


 つまり,7条の賄賂防止義務を負う企業の従業員や役員が,当該会社のための取引を得たり,これを保持するためや,事業上の利益を得たり,これを保持するために,他人に賄賂を渡すことが罪となると規定しています。



 なお,贈賄の主体は,広くとらえられていて,上記の従業員や役員のほか,代理店(Agent)なども含まれる可能性があるので,注意が必要です。


 

 さらに,注意が必要なのは,賄賂を収受する側は「公務員」に限定されていない点です。相手が民間人であっても,イギリスでは贈収賄が成立しえます日本やアメリカなどと考え方が大きく異なるところです。



 また,税関などで手続きを円滑に行なってもらうために払う手数料としての,いわゆるFacilitation PaymentについてもFacilitation Paymentであるからというだけでは免責対象にしていない点も注意が必要です。


 

3. 免責事由


 Bribery Actの7条は(2)において次のように規定しています。



 「But it is a defence for C to prove that C had in place adequate procedures designed to prevent persons associated with C from undertaking such conduct.」



 つまり,当該法人が,前記の贈賄行為などを行わないように適切な手続きを導入していた場合は,当該企業は免責となるとの規定です。


 

 この「適切な手続き」とはいかなるものであるかについては,法務省のガイダンスが以下のように具体化し,6原則を示しています。


@ Proportionate procedures(割合に応じた手続)


 一部を抜粋すると,「Adequate bribery prevention procedures ought to be proportionate to the bribery risks that the organisation faces.」との記載があります。



 つまり,汚職リスクの高低に応じて,適切な予防手続きを確立することを求めています。



A Top-level commitment(最高レベルの経営陣による誓約)

 

 「Those at the top of an organisation are in the best position to foster a culture of integrity where bribery is unacceptable.」とあり,最高レベルの経営者が賄賂が許されないという認識を育てていかなければならない旨が書かれています。



B Risk Assessment(危険度の評価)

 

 「The commercial organisation assesses the nature and extent of its exposure to potential external and internal risks of bribery on its behalf by persons associated with it. The assessment is periodic, informed and documented.」などと規定され,賄賂のリスクを定期的に評価し,書面化することを要請しています。

 

 

C Due Diligence(デューデリジェンス)

 

 「The commercial organisation applies due diligence procedures, taking a proportionate and risk based approach, in respect of persons who perform or will perform services for or on behalf of the organisation, in order to mitigate identified bribery risks.」とされ,贈賄の実行者となりうる者に対し,リスクの程度に応じて,デューデリジェンス(調査)を実施することを求めています。

 

 

D Communication (including training)(訓練を含むコミュニケーション)

 

 「The commercial organisation seeks to ensure that its bribery prevention policies and procedures are embedded and understood throughout the organisation through internal and external communication, including training, that is proportionate to the risks it faces.」 などとされ,トレーニングを含めて,社内全体で,賄賂防止制度ついて周知徹底させることを求めています。

 

 

E Monitoring and review(監視及び見直し)

 

 「The commercial organisation monitors and reviews procedures designed to prevent bribery by persons associated with it and makes improvements where necessary.」とありますので,一度賄賂防止制度を作ればそれで足りるものではなく,常にブラッシュアップする必要性について触れています。

 


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