Lapse(英文契約書用語の弁護士による解説)
英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正をする際に登場する英文契約書用語に,Lapseがあります。
これは,通常,英文契約書で使用される場合,「(権利などが)消滅する」という意味で使用されます。
例えば,If the Party fails to exercise the foregoing right by providing written notice to the other Party within fourteen (14) days after the other Party violates any of the provisions of this Agreement, such right will lapse.などとして英文契約書に登場します。
上記の和訳は,「相手方当事者が契約に違反してから14日以内に相手方当事者に書面により通知することにより前記権利を行使しなければ,当該権利は消滅する。」などとして使用されます。
英文契約書において同様の意味を有する英文契約書用語にはextinguishがあります。
こちらも「(権利などが)消滅する」という意味で英文契約書で使用されることがあります。
特に国際取引では,それぞれの企業が従っている法律が異なるので,消滅時効などの権利の期間制限に対する理解が各当事者で異なっています。
そのため,契約書に各権利がいつまで行使できるかを明記し,お互いの理解を一致させておくことが紛争防止の観点からときに重要になります。
消滅時効制度などがあれば,契約書の準拠法(Governing Law)に従って権利行使制限を受けることになりますが,その内容は必ずしも全当事者に明らかではないですから,契約書で権利行使期間を定めておく意味はあります。
権利の消滅に関する規定は重要ですので,lapseが登場した場合は,どのような要件を満たすと権利が消えてしまうのかよく理解しておくことがリスク管理上重要となります。