Governing Law(準拠法)(英文契約書によく見られる一般条項の弁護士による解説)

atlas-ball-shaped-business-269633.jpg

 

 英文契約書を作成,チェック(レビュー),翻訳(英訳/和訳),修正する際によく見られる一般条項(General Provisions/Miscellaneous)の一つに,Governing Law(準拠法)条項があります。

 

 クロスボーダー・国際取引では,必然的に2国以上にまたがる当事者が契約に参加するため,契約に関する問題が生じた時に,どこの国の法律を適用して解決するのかということが問題にならざるを得ません。

 

 一般的な2者の当事者での取引の場合,どちらかの国の法律を準拠法にする場合が多いですが,場合によっては中立国の第三国に設定されることもあります

 

 例えば,日本企業とドイツ企業との取引であれば,日本の法律かドイツの法律が選択されることが多く,場合によって第三国であるスイスの法律などが選択されることになります。

 

 当事者間でどこの国の法律を適用することとするかは,いわゆるBargaining Position(バーゲニングポジション)という当事者の力関係によって決まる場合が少なくありません。

 

 英文契約書において準拠法が外国になると,せっかく規定した契約書の内容が場合によって修正されたり,無効となったりする可能性がありますので,重大な問題といえます。

 

 したがって,準拠法と紛争解決方法,裁判管轄については,他の条項と絡めてしっかりと交渉の舞台に乗せる必要があると言えます。

 

 一般的には,自社が所属している国の法律を準拠法とすることを主張することが多いと思います。

 

 そのため,当事者双方が自国の法律を準拠法とすることを主張し,交渉が平行線をたどり,契約締結ができないということになることも多いです。

 

 ただ,この準拠法は実際には紛争解決条項(裁判管轄・仲裁地)とセットで考えることが通常です。

 

 そのため,必ずしも自国の法律を準拠法にしたほうが有利とは限りません。理由は以下のとおりです。

 

 例えば,日本企業がドイツ企業に対して売掛金の請求について法的手続きを取る可能性があるという取引の場合に,日本法を準拠法とし,裁判管轄を東京地裁としたとします。

 

 この場合,もしドイツ企業が売掛を支払わず,訴訟をしなければならないという場合,日本企業は東京地裁に訴えて,勝訴判決を得ます。

 

 ところが,ドイツ企業が任意に払わないので,この日本の勝訴判決をドイツで強制執行しなければならないということになった場合,ドイツで判決を取得した場合に比べて非常に大変になるわけです。

 

 こうしたことを考えると,最初から契約書で準拠法をドイツ法とし,裁判管轄をドイツの都市の裁判所としておいたほうが適切であったということもあるのです。

 

 なお,英文契約書に準拠法が書いてあれば,一般的に考えて諸外国で尊重されると考えてよいですが,国によっては,否定される可能性もあります。結局は,当地の裁判所等の判断によると言わざるをえないのです。

 

 もし,契約書で準拠法を定めていなければ,基本的に国際私法・抵触法(Conflict of Laws)という問題になり,紛争が持ち込まれた各国の裁判所の考えに基づいてどの国の法律が適用されるかが判断されることになると考えてよいでしょう。

 

IMG_6603 resized 2.jpg

 

 

 英文契約書に関するサービスに関するお問合せ,見積依頼はこちらからお気軽にどうぞ。

 

 正式にご依頼頂くまでは料金は一切かかりません。

 

 原則として,当日,遅くとも1営業日以内(24時間以内)に折り返しご連絡させて頂いております。



お問合せ・ご相談はこちら

 お問合せフォーム・電話・メールでお問合せ頂けます。

 お問合せフォーム・メールでのお問合せがスムーズです。

 

お電話でのお問合せ・ご相談はこちら
03-6453-6337

担当:菊地正登(キクチマサト)

受付時間:9:00~18:00
定休日:土日祝日

※契約書を添付して頂ければ見積回答致します。
受付時間:24時間

 英文契約書の作成・翻訳・リーガルチェック(全国対応),実績多数の弁護士菊地正登です。弁護士21年目(国際法務歴14年),約3年間の英国留学・ロンドンの法律事務所での勤務経験があります。英文契約・国際取引の専門家として高品質で迅速対応しています。お気軽にお問合せ下さい。

お気軽にお問合せください

お電話でのお問合せ

03-6453-6337

<受付時間>
9:00~18:00
※土日祝日は除く

弁 護 士 情 報

弁護士  菊  地  正  登
片山法律会計事務所

東京都港区芝5-26-20
建築会館4F
tel: 03-6453-6337
email: kikuchi@mkikuchi-law.com

片山法律会計事務所

住所

〒108-0014
東京都港区芝5-26-20
建築会館4F

アクセス

都営三田線・浅草線三田駅またはJR田町駅から徒歩約3分です

受付時間

9:00~18:00

定休日

土日祝日

 弁護士インタビュー動画

書  籍

士業・翻訳業者・保険会社・金融機関の方へ

各士業の先生方,翻訳業者,保険会社,金融機関のお客様の英文契約書に関する案件についてお手伝いさせて頂いております。

ご紹介頂いたお客様の初回相談料は無料ですので,お気軽にお問合せ下さい。

ご相談方法

メール・電話・Web会議・対面の打ち合わせによる対応を行っております。

サイト内検索 - 英文契約書用語の検索ができます -