英文契約書の相談・質問集167 独占販売店なのですがメーカーが類似品を他社に卸して困っています。

 

 

 英文契約書の作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正の依頼を受ける際によく受ける相談・質問に,「独占販売店なのですがメーカーが類似品を他社に卸して困っています。」というものがあります。

 

 

 独占販売店契約(Exclusive Distribution/Distributorship Agreement)を締結している場合,販売店(Distributor)は,一定の販売地域において販売店(Distributor)だけがメーカーの商品を販売できるというメリットがあります。

 

 

 逆に,メーカーからすると,一定の販売地域においては,その商品を他社に卸すことはできません。

 

 

 ところが,まれに,メーカーが類似品を販売地域内の他社に卸したり,同一商品のラベルや商標を変更して他社に卸したりということを行う場合があります。

 

 

 日本企業が海外メーカーの商品を日本手にて独占的に販売する権利を持った販売店(Distributor)だとすると,このようなメーカーの行為は,販売店(Distributor)の利益を害する行為であり,許しがたい行為ということになります。

 

 

 ただ,通常,販売店契約(Distribution/Distributorship Agreement)では,どの商品が独占販売権の対象となるのか,商品が指定されています。

 

 

 英文契約書の本文中で指定されていることもありますし,別紙(Appendix)で商品が特定されていることもあります。

 

 

 そして,この特定された商品が基本的に独占販売権の対象となり,その他の商品については,独占販売権の対象でないということになります。

 

 

 メーカーとしては,複数の商品ラインナップがある場合,この商品とこの商品はA社に販売展開してもらい,この商品とこの商品はB社に販売展開してもらおうと考えることがあるので,商品を指定することがあるのです。

 

 

 この場合に,たとえ,A社の取り扱い製品とB社の取り扱い製品が市場において競合するという場合でも,あくまで契約書で独占販売権の対象となる商品を明確に指定されていれば,それ以外の商品を他社に卸されていたとしてもお互いに文句はいえないということになります。

 

 

 ところが,メーカーが,A社に独占販売権を付与した商品と全く同一の商品を,ロゴや商標を変え,商品名称を別にして他社に卸すとしたらどうでしょうか。

 

 

 これは,その商品が名称,ロゴや商標が特徴的であり,そちらに商品のアイデンティティがあるのか,それとも,商品の機能や性能,品質などに特徴があり,そちらに商品のアイデンティティがあるのかによって,契約違反かどうかが変わってくる可能性があります。

 

 

 ただ,商品のスペックや仕様が全く同一なのであれば,販売店契約(Distribution/Distributorship Agreement)によって,販売店(Distributor)は,あくまで製品の独占販売権を得ているのであって,それと同時に商標やロゴの使用権も付与されているということになります。

 

 

 そうすると,中身は全く同じ製品なのであれば,基本的には,他社にそれを卸すことができるとすれば,独占契約の意味を大きく失わせますので,メーカーの契約違反となることが多いのではないかとは思います。


 

 そのため,場合によっては,販売店(Distributor)がメーカーに対し損害賠償請求等をすることができることもあるでしょう。

 

 

 もちろん,予め,中身は同じ商品だが,ブランド名称やロゴ,パッケージデザインだけ変えた別の商品については,他社に販売権を付与するなどと契約書に明記していたり,説明がなされていたりすれば話は別かもしれません。

 

 

 このように,販売店(Distributor)からすると,何の商品について独占販売権を得たのか,メーカーの行為をどこまで具体的に規制すべきなのかは重要な問題です。

 

 

 確かに,メーカーとしても,類似品を同じマーケットに投入することで,市場を奪い合い,結果利益が少なくなるということも考えられますので,このような行為をする動機がどこまであるかということはあります。

 

 

 ただ,どこまで独占販売権を得られているのかについては,販売店(Distributor)は細かく確認して契約書に明記しておくほうが安全だと思います。

 

 

→【英文契約書の相談・質問集167】独占販売店なのですがメーカーが類似品を他社に卸して困っています。

 

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