AIによる英文契約書レビューの限界|弁護士にしかできないこと

▍ AIによる英文契約書レビューの限界|弁護士にしかできないこと

 

リーガルテックの進化により,AI・機械翻訳を活用した契約書レビューが広まっています。しかし,英文契約書の実務においては,AIにできないことが明確に存在します。このページでは,AIと弁護士それぞれの役割の違いと,弁護士に依頼すべき場面を整理します。

 

 

このページのポイント(3行まとめ)

AIは「一般的なチェック」には有用ですが,具体的な取引に即したリスク判断・修正提案は法律上できません(弁護士法72条)。

交渉テクニック・相手国の商慣習・個別事情への対応は,AIには原理的に不可能です。

AI・機械翻訳は「補助ツール」として活用しつつ,重要な判断・修正は弁護士が行うのが現時点での適切な分業です。

 

 

 

AIと弁護士の役割比較

 

できること・できないこと AIレビュー 弁護士
条項の抜け漏れチェック ◎ 得意 ○ 対応可
有利・不利の一般的な判別 ○ 対応可 ◎ 得意
具体的なリスク指摘・修正提案 ✕ 法律上禁止 ◎ 得意
個別事情を踏まえた柔軟な修正案 ✕ 困難 ◎ 得意
交渉現場を意識したアドバイス ✕ 困難 ◎ 得意
海外の法律・商慣習への対応 ✕ 困難 ◎ 得意
回答の正確性 △ 誤りあり ○ 責任を持って対応

 

 

 

① AIによる契約書レビューについて

AIは条項チェックに優れているが,具体的なリスク指摘は法律上できない

AIによる契約書レビューは近年レベルが向上しており,条項の抜け漏れチェックや有利・不利の判別という点では,うっかりミスをしがちな人間よりも格段に優秀です。

ただし,一般企業向けのAIレビューサービスでは,具体的なリスクの指摘や修正案の提示が法律上禁止されています(弁護士法72条)。これは行政書士などによるレビューにも同様に適用されます。詳細は法務省のガイドライン「AI等を用いた契約書等関連業務支援サービスの提供と弁護士法第72条との関係について」をご参照ください。

 

 

AIが苦手なこと①:個別事情に即した判断

AIはデータベースに基づいた判断をするため,「一般的には不合理であるが,今回の個別事情から受け入れ可能」といった柔軟な判断が苦手です。その取引で最後までこだわるべき条項はどこか,どこを相手に譲ってどこを守るべきか,といった実務的な優先順位付けもAIには難しいです。

 

 

AIが苦手なこと②:交渉現場への対応

例えば,取引先がAIの提案どおりの修正を受け入れてくれない場合,AIは「ベストではないがギリギリ受け入れられる条項の再提案」や「相手方が納得しやすい説明文の作成」はできません。交渉の現場では,合理的な「正論」だけで話が進むわけではないからです。

 

 

AIが苦手なこと③:海外取引への対応

特に海外取引では,現地の法律・商慣習・文化が日本とは大きく異なります。外国企業の担当者や決裁権者は,法律・慣習・考え方が日本人と異なる「人間」です。AIの条項提案だけでは,現場がうまく回らないケースが多いです。

 

 

AIが苦手なこと④:回答の正確性

AIは存在しない判例を「でっち上げ」たり,法律条文を誤って引用したりすることがあります。AIのアウトプットが誤りかどうかを見抜くには,ユーザー自身に素養・知識・経験が必要です。AIを正しく使いこなすためにも,専門家によるセカンドチェックが重要です。

 

 

 

② AI・機械翻訳について

概要把握の参考利用なら問題ない

AI・機械翻訳は精度が向上しており,英文契約書の概要を把握するための参考和訳として使用するのであれば問題ありません。弊所でも必要に応じて機械翻訳を活用しており,これにより弁護士費用を抑えることが可能になっています。

 

 

そのまま契約書として使うのは危険な理由

和文で作成した契約書を機械翻訳でそのまま英訳したり,英文契約書の機械翻訳をそのまま和文契約書として使用したりすることはお勧めしていません。機械翻訳が契約書の条項として法的に適切な効力を持っているかどうかの検証がされていないからです。

英文契約書を正確に読み解き,実務的に使える内容に翻訳・修正するためには,英米法・コモンローの実務的な素養と経験が必要です。機械翻訳はそのまま翻訳するだけで,英米法の実務を通した審査や修正は行いません。この点が,機械翻訳だけで契約実務をこなすことができない大きな理由の一つです。

 

 

 

まとめ:AIと弁護士の適切な使い分け

AIの活用が適している場面:条項の抜け漏れチェック,有利・不利の一般的な把握,英文契約書の概要確認。

弁護士が必要な場面:具体的なリスク指摘・修正提案,交渉戦略の立案,個別事情を踏まえた条項の最終判断,英米法の実務対応。

AIを補助ツールとして活用しながら,重要な判断と修正を弁護士が行う分業体制が,現時点でのベストプラクティスです。

 

 

英文契約書のリーガルチェック・リスク判断・修正提案など,AIでは対応できない部分についてはお気軽にご相談ください。契約書を添付いただければ,見積は無料,当日〜翌営業日以内にご回答します。

お問合せ・ご相談はこちら(無料)

 まずはお気軽にご相談・見積依頼ください

正式ご依頼まで料金不要/当日または翌営業日中に見積回答

 お問合せフォーム・メールでのお問合せがスムーズです

お電話でのお問合せ・ご相談はこちら
03-6453-6337

担当:菊地正登(キクチマサト)

受付時間:9:00~18:00
定休日:土日祝日

※契約書を添付して頂ければ見積回答致します
受付時間:24時間

 英文契約書の作成・翻訳・リーガルチェック(全国対応),実績多数の弁護士菊地正登です。弁護士歴23年(国際法務歴17年),約3年間の英国留学・ロンドンの法律事務所での勤務経験があります。英文契約・国際取引の専門家として高品質で迅速対応しています。お気軽にお問合せ下さい。

お気軽にお問合せください

お電話でのお問合せ

03-6453-6337

<受付時間>
9:00~18:00
※土日祝日は除く

弁 護 士 情 報

弁護士  菊  地  正  登
片山法律会計事務所

東京都港区芝5-26-20
建築会館4F
tel: 03-6453-6337
email: kikuchi@mkikuchi-law.com

片山法律会計事務所

住所

〒108-0014
東京都港区芝5-26-20
建築会館4F

アクセス

都営三田線・浅草線三田駅またはJR田町駅から徒歩約3分です

受付時間

9:00~18:00

定休日

土日祝日

 弁護士インタビュー動画

書  籍

士業・翻訳業者・保険会社・金融機関の方へ

各士業の先生方,翻訳業者,保険会社,金融機関のお客様の英文契約書に関する案件についてお手伝いさせて頂いております。

ご紹介頂いたお客様の初回相談料は無料ですので,お気軽にお問合せ下さい。

ご相談方法

メール・電話・Web会議・対面の打ち合わせによる対応を行っております。

サイト内検索 - 英文契約書用語の検索ができます -