プレビュー:英文 Supply Agreement / Purchase Order Terms(購買基本契約・注文書条件)

英文 Supply Agreement / Purchase Order Terms(購買基本契約・注文書条件)の作成・リーガルチェック・翻訳

Supply Agreement(購買基本契約・供給契約)は,買主(Buyer)と売主・サプライヤー(Supplier)の間で,物品・部品・原材料の継続的な売買・供給に関する基本的な条件を定める契約書です。個別取引ごとに発行される Purchase Order(注文書)の条件(Purchase Order Terms and Conditions)とセットで用いられることが多く,両者の整合性が重要になります。国際取引では Incoterms の選択・所有権と危険負担の移転時期・品質保証条件・知財の帰属などが特に重要で,「書式の争い(Battle of the Forms)」によって契約内容が不明確になるリスクも見落とせません。製造委託・OEM 調達・部品サプライヤー管理など,幅広い取引で利用される契約書です。

こんな企業・方からのご相談をお受けしています

海外サプライヤーとの購買基本契約を整備したい

海外から部品・原材料・製品を継続調達しているが,注文書のやり取りだけで基本契約がない。品質保証・納期・知財・秘密保持などの条件を一括して定めた英文の購買基本契約書(Master Supply Agreement)を作成したい。

相手方の Purchase Order Terms を精査・修正したい

取引先(海外の大手メーカー・小売業者等)から送られてきた注文書条件(Purchase Order Terms & Conditions)が自社に不利な条項を多く含んでいる。リスクを精査した上で修正・交渉したい。

注文書と承認書の「書式の争い」を解消したい

自社の注文書条件とサプライヤーの受注確認書(Order Acknowledgment)の条件が食い違っており,どちらの条件が契約内容になるか不明確。書式の争い(Battle of the Forms)のリスクを解消する契約書を整備したい。

納品不良・品質トラブルで損害賠償請求を検討している

サプライヤーの納品物に重大な品質不良があり損害が発生した。現行の契約書・注文書条件では責任の所在が不明確。損害賠償請求の根拠を確認しつつ,今後の契約書を見直したい。

契約締結時に弁護士がチェックする主要条項

Supply Agreement / Purchase Order Terms は買主・売主のどちら側が起草するかによってリスクの向き・不向きが大きく変わります。以下の条項は特に慎重な検討が必要です。

① ⚠ 書式の争い(Battle of the Forms)

買主が注文書(Purchase Order)を発行し,売主が受注確認書(Order Acknowledgment / Sales Confirmation)を返送する際,双方の書式に異なる条件(支払条件・品質保証・責任制限・準拠法等)が記載されているとどちらの条件が優先するか問題になります(書式の争い)。英米法では「Last Shot Rule」(最後に発行された書式が優先)が基本ですが,UCC(米国統一商事法典)では異なる扱いをする場合があり,大陸法系の国では「Knock-Out Rule」(矛盾する条項は両方無効)が採られることもあります。購買基本契約(Master Supply Agreement)に「本契約条件が個別注文書条件に優先する」旨の整合条項を設けることで解決できます。

② ⚠ 危険負担・所有権の移転(Risk of Loss / Title Transfer)・Incoterms

国際売買では,物品の滅失・損傷のリスクがいつ売主から買主に移転するか(危険負担の移転)と,所有権がいつ移転するかを明確にする必要があります。実務では Incoterms(国際商業会議所が定める貿易条件)を指定することで危険負担の移転時点・費用負担・手配義務を明確にします。FOB(本船渡し),CIF(運賃・保険料込み),DAP(仕向地持込渡し),DDP(関税込み持込渡し)など,条件の選択によって買主・売主の負担が大きく変わります。特にDDPはサプライヤー側の負担が最大になる条件であり,Incotermsの選択を誤ると関税・輸入コストの予期せぬ負担が生じます。

③ ⚠ 品質保証・瑕疵担保(Warranty / Quality Assurance)と検収(Acceptance)

物品が契約仕様・品質基準を満たすことの保証条件,および不良品・不適合品が納品された場合の救済手段(Remedies)を明確に定めます。①保証期間(Warranty Period):製品引渡し後から何ヶ月間保証するか,②不良品の発見・通知期限(Notice of Defects):検収後に不良を発見した場合,いつまでに通知しなければならないか,③救済手段:修理・代替品供給・代金減額・損害賠償のどれが優先するか,を具体的に定めてください。検収(Acceptance)の条件が曖昧だと,「検収完了後は不良を主張できない」と主張されるリスクがあります。隠れた欠陥(Latent Defects)に対する保証条項も重要です。

④ ⚠ 責任制限・間接損害の免責(Limitation of Liability / Exclusion of Consequential Damages)

損害賠償責任の上限額(Liability Cap)を「当該注文書の代金相当額」「直前12ヶ月の取引代金総額」などに制限する条項と,逸失利益・間接損害・特別損害・結果的損害(Consequential Damages)を賠償対象から除外する条項(Exclusion of Indirect Damages)が必ず問題になります。サプライヤー側は責任制限条項を設けたいところですが,買主側の標準 Purchase Order Terms には「責任制限なし」と定められていることも多いです。特に,製品リコール・製造物責任(PL)が生じる場合に備え,製造物責任保険の付保義務・保険証書の提出義務を定めておくことも重要です。

⑤ 価格・支払条件(Price / Payment Terms)と価格改定条項

契約期間中の価格固定・価格改定の条件を明確にします。原材料・エネルギー・為替変動を理由とした価格改定条項(Price Adjustment Clause)の有無・発動要件・協議手続を定めておかないと,コスト上昇時にサプライヤーが一方的に価格改定を求めてきたり,逆に価格改定ができず損失が継続するリスクがあります。また,支払通貨・為替リスクの負担,支払遅延時の遅延利息(Late Payment Interest),前払い・信用状(L/C)の要否なども重要な交渉事項です。

⑥ 納期・発注予測・安定供給義務(Delivery / Forecasting / Supply Continuity)

納期(Delivery Date)の確定方法,納期遅延時のペナルティ(Delay Penalty / Liquidated Damages),注文予測(Rolling Forecast)の法的拘束力,最低発注数量(Minimum Order Quantity)・最低発注金額(Minimum Purchase Commitment)の有無を明確にします。特に,買主が定期的に提供する発注予測をサプライヤーが設備投資・原材料調達に活用する場合,予測の法的拘束力の範囲(binding / non-binding)を明確にしないと,後日「発注予測を信頼して投資したのに発注が来なかった」として損害賠償請求されるリスクがあります。

⑦ ⚠ カスタム品・成果物の知的財産権の帰属(IP Ownership in Custom-Developed Products)

買主の仕様・設計に基づいてサプライヤーが製造するカスタム品・試作品・金型・治具・ソフトウェアが含まれる場合,それらの知的財産権・所有権が誰に帰属するかを明確に定める必要があります。「サプライヤーが製造したから当然サプライヤーの所有」ではなく,買主が設計・費用を負担した場合は買主に帰属させることが一般的ですが,これを契約書に明記しないと紛争の原因になります。また,金型・治具等の物理的な資産の所有権・保管義務・廃棄条件も明確にしてください。

⑧ ⚠ 変更・キャンセル条項(Change Orders / Cancellation / Termination for Convenience)

発注後に仕様変更(Engineering Change Order / ECO)が必要になった場合の手続・費用負担,発注のキャンセル(Cancellation)に伴うキャンセル料(Cancellation Charge)の算定方法を契約書に定めます。「Termination for Convenience」(都合による解約権)を買主側のみに付与する条項は,サプライヤー側には一方的に不利です。解約通知期間・解約時の補償(製造中在庫・原材料の補償)を合理的に設計してください。特に長納期品(Long Lead Time Items)を要する製品では,キャンセル時の損害範囲が広くなる点に注意が必要です。

⑨ 不可抗力条項(Force Majeure)とサプライチェーン途絶リスク

天災・感染症・戦争・輸出規制・下請けサプライヤーの倒産など,当事者の支配外の事由による契約不履行を免責する不可抗力条項(Force Majeure)を明確に定めます。COVID-19 以降,サプライチェーン途絶リスクへの対応として,①代替供給源(Alternative Source)の確保義務,②安全在庫(Safety Stock)の保有義務,③不可抗力発生時の通知義務・回復計画の提出義務を盛り込む契約書が増えています。また,輸出規制(米国 EAR・日本の外為法等)の対象となる物品・技術が含まれる場合は,法令遵守義務条項も不可欠です。

⑩ 準拠法・紛争解決(Governing Law / Dispute Resolution)

国際的な物品売買には,当事者が準拠法として日本法・英国法・米国法等を選択しない限り,国連物品売買条約(CISG)が自動適用される可能性があります。CISG の適用を意図的に排除する(または適用させる)旨を明記してください。紛争解決は,訴訟(日本の裁判所・相手国の裁判所)か,国際仲裁(ICC・SIAC・JCAA 等)かを選択します。国際仲裁を選択する場合は,仲裁機関・仲裁地・仲裁言語・仲裁人数を明確に定めてください。相手国での判決・仲裁判断の執行可能性(ニューヨーク条約加盟国かどうか)も確認が必要です。

⚠ 注文書だけのやり取りは危険―購買基本契約がないと何が起きるか

 

多くの企業が「毎回の注文書で取引しているから問題ない」と考えていますが,購買基本契約書(Master Supply Agreement)がなければ以下のリスクが生じます。

 

・注文書と受注確認書の条件が食い違い,どちらの条件が適用されるか(「書式の争い」)で紛争になる
・品質保証・保証期間・検収条件が不明確なため,不良品発生時に責任の所在が争われる
・カスタム品・金型の知財帰属が未確定のため,取引終了後にサプライヤーが同一品を第三者に供給する
・責任制限条項がないため,サプライヤーの過失による損害について無制限の賠償義務が生じる
・不可抗力条項・キャンセル条項が未整備なため,サプライチェーン途絶時に双方の義務が不明確になる
・準拠法・紛争解決条項がなく,紛争が生じた際に予期せぬ国の法律が適用される

Supply Agreement / Purchase Order Terms で弁護士が必要な理由

「書式の争い」の解消と契約条件の明確化

注文書・受注確認書・基本契約書の間で条件が矛盾しないよう整合を取り,「書式の争い」を根本から解消します。買主・売主のいずれの立場からも,自社に有利な条件を優先させる契約設計が可能です。

国際売買の法規制・CISG への対応

国連物品売買条約(CISG)の適用の有無,Incoterms の選択,輸出規制(EAR・外為法)への対応など,国際取引特有の法的論点を踏まえた契約書の設計・審査を行います。

品質不良・納期遅延トラブル発生時の法的対応

サプライヤーの納品不良・納期遅延によって損害が生じた場合の損害賠償請求・契約解除の可否を,既存の契約書・注文書条件に基づいて分析し,交渉・請求対応をサポートします。

相手方の不利な Purchase Order Terms への交渉・修正

大手バイヤー・小売業者から届いた一方的に不利な注文書条件(責任無制限・無制限の補償義務・広範なキャンセル権等)について,リスクを精査した上で修正案(Redline)を作成し,交渉対応まで一貫してサポートします。

よくある質問(FAQ)

Q. Supply Agreement と Sales Agreement(売買契約)の違いは何ですか?

A. Sales Agreement(売買契約)は特定の1回の取引を対象とすることが多いのに対し,Supply Agreement(供給契約・購買基本契約)は継続的・反復的な売買取引の基本条件を包括的に定める契約書です。Supply Agreement を締結しておけば,個別取引ごとには Purchase Order(注文書)と Order Acknowledgment(受注確認書)のやり取りだけで取引を完結させることができます。取引量が多い継続取引では Supply Agreement の整備を強くお勧めします。

Q. 相手方から届いた注文書条件(Purchase Order Terms)に署名しないまま取引を続けても問題ないですか?

A. 署名・返送しなくても,注文書条件の記載内容を知りながら取引を続けた場合,その条件を黙示的に承諾したとみなされるリスクがあります(「Last Shot Rule」)。特に相手方の注文書条件に「本注文書の条件は取引先の注文確認をもって承諾されたものとみなす」旨が記載されている場合は要注意です。問題のある条項がある場合は,取引開始前に異議を申し立て,修正交渉を行うことをお勧めします。

Q. 国連物品売買条約(CISG)とは何ですか?適用を排除すべきですか?

A. CISG(United Nations Convention on Contracts for the International Sale of Goods)は,異なる締約国に営業所を有する当事者間の物品売買に自動的に適用される国際条約です。日本・米国・中国・EU主要国など90カ国以上が締約国です。CISG には独自のルール(承諾の効力発生時期・瑕疵通知期間の2年制限・契約解除要件等)があり,日本法・英国法と異なる点も多くあります。適用の有無を意識せずに契約書を作成すると,予期しないルールが適用されるリスクがあります。実務上は「本契約には CISG を適用しない」と明示的に排除するか,CISGの適用を前提に内容を設計するかを意識的に選択することが重要です。

Q. サプライヤーが倒産・廃業した場合,金型・治具はどうなりますか?

A. 金型・治具の所有権が契約書上で買主に帰属すると定められていても,サプライヤーが倒産した場合は管財人(破産管財人)が金型・治具を処分してしまうリスクがあります。所有権留保(Retention of Title)・動産譲渡登記の活用,金型へのラベル貼付(所有権表示),取り出し優先権の明記など,実効性ある保護措置を契約書と実務の両面で講じることが重要です。また,サプライヤー変更(Dual Sourcing)に備えた技術情報・製造仕様書の開示義務を契約に盛り込むことも有効です。

Q. 購買基本契約書の作成・リーガルチェックはどのくらいの費用・期間がかかりますか?

A. 契約書の内容・ページ数・作業の種類(新規作成・リーガルチェック・翻訳)によって異なります。見積依頼から当日または翌営業日中に回答します。正式ご依頼まで料金は発生しません。契約書をご添付の上お問い合わせいただければ,内容を確認した上で正確な見積もりをお伝えします。

Q. 日本語の購買基本契約書を英訳してほしい場合も対応していますか?

A. 対応しています。法律実務に精通した弁護士による翻訳のため,契約書の法律用語・条項の構造を正確に英訳します。英訳後にリーガルチェックを兼ねて内容を見直すことも可能です。また,外国語版と日本語版の両方を作成し,「いずれか一方が優先する」旨の整合条項を設けることも対応します。

【注意事項】本ページの内容は一般的な解説を目的としており,個別の案件に対する法的アドバイスではありません。Supply Agreement / Purchase Order Terms の各条項の有効性・解釈は準拠法および相手国の法制度によって異なります。国際取引においては,現地の弁護士との連携も含めたご相談をお勧めします。

弁護士 菊地正登

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