Release and discharge(英文契約書用語の弁護士による解説)
英文契約書を作成,チェック(レビュー),翻訳(英訳/和訳),修正する際によく登場する英文契約書用語に,Release and discharge...があります。
これは,英文契約書で使用される場合,通常,「…を解放し,免責する」と訳されます。
意味としては,いわゆる「清算条項」と呼ばれる条項にしばしば入る表現で,「…に対して有する権利一切を放棄し,今後請求しない」という趣旨です。
たとえば,ある紛争が両当事者間で生じていて話し合いにより,XがYに対して一定の金額を払う代わりに,YはXに対して何らの権利をもはや有せず,主張しないと和解したとします。
そのような合意を作成する際に,この文言が重要になってくるのです。
たとえば,Y shall release and discharge X from any and all claims...(YはすべてのあらゆるクレームからXを解放,免責し…)というように使用されます。
きちんとした清算条項を入れないと,和解の趣旨が不明確となって,Yから何らかの理由で追加請求を受けるという事態になりかねませんので,非常に重要な条項といえます。