Provide(英文契約書用語の弁護士による解説)
英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正をする際に登場する英文契約書用語に,Provideがあります。
Provideは,英文契約書で使用される場合,通常,「提供する」などの意味で使用されます。
有形の物を提供するという場合にも使用されますし,サービスなどの無形の物を提供するという場合にも使用されます。
例えば,The Supplier shall provide the Distributor with sales and marketing materials for the Products.(サプライヤーは,販売店に対し,本製品のための販促・宣伝資料を提供する。)などとしてよく使用されます。
文法的には,provideの後に人などが入り,with...として,...に提供される物やサービスが入り,「(人に)…を提供する」という意味になります。
GiveやPresentなども同様の意味で使用されますが,契約書では圧倒的にProvideが使われる場合が多いと思います。
なお,Provideは,provided that.../provided, however, that...などという表現でも,英文契約書によく登場します。
これは,「但し...」という条件を意味する表現として使用されます。
いわゆる「但書」(ただしがき)を付けるときに使われます。
この場合は,「提供する」という意味で読んでいると理解できなくなりますので,ご注意下さい。
他にも,provideは「…と規定する」という意味でも英文契約書で頻繁に登場します。
この意味の類義語は,set forth,set out,stipulateなどが挙げられます。
以上のように,provideは多義的で,しかも英文契約書に頻出する重要用語の1つです。