英文契約書の相談・質問集10 秘密保持契約書があれば秘密は守られますか。
英文契約書の翻訳(英訳/和訳)・作成・チェックに関する基礎的な質問に「秘密保持契約書があれば秘密は守られますか。」というものがあります。
確かに,英文・英語契約書において,秘密保持契約書(Non-Disclosure Agreement)を締結したり,基本契約書などに,秘密保持条項(Confidentiality)などを入れておくことは重要です。
当事者は,そこに書かれた秘密保持義務を守らなければならない義務を生じさせますし,もし違反すれば,秘密保持義務違反として,損害賠償請求や情報の使用差止請求などの対象になることになるため,有意義だからです。
もっとも,これで安心してよいかというと,それは別論です。
世の中,約束を破る人は存在していますし,企業でもそれは同じです。また,故意に違反したのではないとしても,一度秘密情報が漏洩してしまえば,その損害はもはや回復不能という場合もよくあります。
このように考えると,やはり,秘密は秘密のまま保持できる,相手に開示しなくとも取引が成り立つというのが最も良いことになります。
一般にいわれる「ブラックボックス」を作っておく,相手方に開示する情報は最小限にし,肝心な部分は伝えない,情報の管理方法をこちらで指定するなどの実務的な対策が重要になってきます。
商品やサービスによって,どのような情報を開示すべきか,開示方法,開示のタイミング,情報管理の方法などが異なってきますので,事前に十分に検討することが大切です。
ここでは詳しくは書きませんが,情報の守り方,出さない方法というのはいくつかあります。
また,当然ですが,取引相手が義務をきちんと守る企業であるかどうか,Due Diligence(デュー・デリジェンス)を行い,企業の実績や,経営者,過去の評判などについて調査することも重要です。
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