Strictly(英文契約書用語の弁護士による解説)
英文契約書の作成,チェック(レビュー),翻訳(英訳/和訳)修正する際に登場する英文契約書用語にStrictlyがあります。
これは,英文契約書で使用される場合,通常,「厳格に」という意味で使用されます。
特によく使用される場面は,守秘義務条項でしょう。
例えば,Receiving Party shall keep strictly secret and confidential Disclising Party's Confidential Information...(受領当事者は,開示当事者の秘密情報を厳格に秘密として管理し…)などと英文契約書では使用されます。
特に英文契約書に特有な用語というわけではないですが,知っておくと良いでしょう。
ただ,具体的にStrictlyという表現がどの程度の情報管理を求めるのかはやや曖昧さが残ると言わざるをえないでしょう。
よく定められるのは,受領当事者が自己の秘密情報の管理と同程度に管理する義務を負い,その義務の程度は合理的なレベル(日本法で言うところの善良なる管理者の注意義務に近いと考えら得れるでしょう)を下回ってはならないという内容です。
この表現によっても程度問題という面は否めませんが,Strictlyという表現よりは立証可能性が高く適切といえるかと思います。
他にStrictという用語は,Strict Liability(厳格責任)という文脈でもよく見かけます。減額責任は,過失を要求しない,いわゆる無過失責任に相当する概念です。
日本法でいうと,契約不適合責任(旧瑕疵担保責任)や製造物責任がいわゆる無過失責任に相当します。