Representations and Warranties(英文契約書用語の弁護士による解説)

 

 英文契約書を作成,チェック(レビュー),翻訳(英訳/和訳),修正する際によく登場する英文契約書用語に,Representations and Warrantiesがあります。

 

 これは,英文契約書で使用される場合,通常,「表明保証」と和訳されます。

 

 Representations and Warranties(レプレゼンテンションズアンドワランティズ)を略して,「レプワラ」などと呼ぶこともあります。

 

 この表明保証条項は,契約当事者がある内容が真実であることを表明し保証するという場面で使用されます。

 

 例えば,Seller represents and warrants to Buyer that...などと記載され,...の部分に,売主が買主に対して真実であることを宣言して,保証するという内容が書かれます。

 

 この表明保証条項(Representations and Warranties Clause)の効果としては,仮に,that節以下に書かれた内容が事実ではないということが判明した場合,保証した当事者が,保証された当事者に対して,それによって保証された当事者が被る損害を賠償する責任などを負うという点にあります。

 

 また,英文契約書では,上記損害賠償請求の他にも,表明保証の内容に違反すれば,違反された当事者が契約を解除できるという効果も規定されていることも多いです。

 

 この表明保証条項(Representations and Warranties Clause)は,M&Aの契約書でよく登場し,重要な意味を持ちます。

 

 通常の製品の売買契約であれば,買主が売買の目的物になる製品について保証して欲しい内容としては,欠陥品でないこと,仕様に合致していること,通常の品質性能を有していることなど,割と画一的といえます。

 

 この場合は,通常は,Representaions and Warranteisという表現では登場せず,単にWarranties(保証)として,製品保証の内容が定められることが多いです。

 

 これに対し,M&Aでは,会社を買収するという契約になるため,売買の目的物である買収対象会社について,買主が保証して欲しい内容は多岐にわたります。

 

 会社は,様々な事業活動をしているゴーイング・コンサーンな存在ですから,製品の売買のように保証対象事項は単純ではありません。

 

 買収対象会社には,通常,株主,従業員,顧客,下請け,物流やITサービスの提供者など様々な多数のステークホルダーが存在します。

 

 財務状況に加え,これらについてどのような状況にあるのかを表明し,保証させなければ買主としては安心して買収できないということになります。

 

 ただ,売主としては,あまりに細かく広範囲に表明保証としてしまうと,損害賠償や解除の理由となってしまうリスクがあります。

 

 また,売主が行う表明保証は,必ずしも自分がすべて把握している内容,または,自己のコントロール下にある内容ばかりではないのが現実です。

 

 このように,表明保証条項(Representations and Warranties Clause)は,特にM&Aの契約などでは,重要な意味を持っており,売主と買主の思惑がぶつかり,交渉が難航する場面の一つといえます。

 

 なお,M&Aに限らず,何でもかんでもRepresentations and Warrantiesで表明保証させれば良いということではもちろんありません。

 

 表明保証違反があれば損害賠償請求や契約解除ができると契約書に定められていても,実際にその権利を実現するには困難がつきまといます。

 

 相手が賠償請求などに応じず,訴訟沙汰になるかもしれませんし,詐欺的な事案に巻き込まれ,相手にもはや資力がないかもしれません。

 

 このようなことにならないように,Representations and Warrantiesに頼るのではなく,きちんとした調査(Due Diligence)をすることが大前提です。

 

 そのうえで,カバーしきれないものについて二次的にRepresentations and Warrantiesを活用するという姿勢が正しいものと思われます。

 

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