Closing(英文契約書用語の弁護士による解説)
英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正をする際によく登場する英文契約書用語に,Closingがあります。
これは,M&Aに関する契約書(Stock Purchase Agreement(株式譲渡契約書)やAsset Purchase Agreement(事業譲渡契約書)など)によく登場する用語です。
もちろん,M&Aに限った英文契約書用語というわけではなく,取引の実行段階を観念するような契約であれば,クロージングという用語を使うことがあります。
M&Aが進行する場合,通常は,上記のStock Purchase Agreement(株式譲渡契約書)やAsset Purchase Agreement(事業譲渡契約書)などを取り交わし,Closingについて定めを置きます。
C
losingとは,M&Aの実行を指し,基本的には,株式譲渡であれば,株式の譲渡と代金の決済を行うこと,事業譲渡であれば,事業の譲渡と代金の決済を行うことを指します。
その他,株主総会の開催,取締役会の開催,役員の交代や,様々な買収対象会社に関する書類(Closing Document)の引き渡しなどが行われます。
Closingをもって,M&Aが完結,実行されるということになります。この実行日・決済日をClosing Dateと呼んでいます。
M&Aでは,このClosingに至るまでに,Due Diligence(デュー・デリジェンス)や,Representations and Warranties(表明保証)などの重要な行為がなされます。
Representions and Warranties(表明保証)では,Closing Dateにおいて,買収対象外者や事業譲渡の対象財産の状態が「〜であることを保証する。」という定めが必ずといって良いほどなされます。
したがって,このClosingとClosing Dateという概念は,M&Aに関する契約にとっては,重要な意味を有しています。