Fitness for a particular purpose(英文契約書用語の弁護士による解説)

 英文契約書を作成,チェック(レビュー),翻訳(英訳/和訳),修正する際によく登場する英文契約書用語に,Fitness for a particular purposeがあります。

 これは,英文契約書で使用される場合,「特定目的適合性」などと和訳されます。

 英米法の考え方が背景にあるために,英文契約書によく登場する用語といって良いでしょう。

 例えば,日本のメーカーが取り扱っている紙以外のものに印刷ができる特殊なプリンターがあったとします。

 この商品に海外の企業から引き合いがあり,特殊な樹脂でできたカップにこの印刷機を使用したいから,プリンターを何台か発注したいと言われたとします。

 日本のメーカーは,その樹脂のサンプルを取り寄せ,実際に印刷してみたところ,問題なく印刷ができ,問題なく動作するので,是非買って欲しいということになりました。

 そして,実際に取引が成立し,日本のメーカーは海外の企業にプリンターを何台か販売しました。

 ところが,いざ使用してみると,確かに印刷自体はできるのですが,高温多湿の状態で数日間置いておくと,簡単に印刷が剥げてきてしまうことが判明しました。

 買主の国は,高温多湿の国でしたので,消費者がカップを普通に使っているだけでプリントが剥がれてきてしまったのです。要するに,当該樹脂にはこのプリンターは印刷できないことがわかったのです。

 そのため,買主がプリンターの返品と,予定していた商品の出荷ができなくなったので,損害賠償請求をしてきました。

 このような場合に,問題になるのが,fitness for a particular purposeです。

 売主は,仕様に合致した,きちんと動作する問題のないプリンターを販売していますので,商品に欠陥(契約不適合/瑕疵)は存在していません。

 しかし,買主としては,特殊な樹脂に印刷するという目的に沿った使用ができないのですから,そのようなプリンターは不要ですし,買主からすれば欠陥品であるということになります。

 しかも,買主は売主に対し,事前にプリンターの使用目的を伝えていましたので,なおさら,納得がいきません。

 このような場合に,買主が救済されるのか,つまり,売主は,買主のプリンターの購入目的に適合した商品を売ることを保証したのかということが問題になります。

 こうしたケースがfitness for a particular purpose(特定目的適合性)が問題になる典型的な事例と言えるでしょう。

 このような問題を生じないように,売主としては,通常,英文契約書において,fitness for a particular purposeについては保証せず,あくまで仕様(specifications)に合致した欠陥のない商品であることのみ保証すると規定することが通常です。

 後で,上記のような問題を生じないように,売主がどのような内容の保証をしているのか,売主及び買主間で認識にずれが生じないよう,きちんと交渉し,明確に英文契約書に記載しておかなければなりません。

 もし英文契約書に何も書いていない,または,契約書を取り交わさずに売買したということになってしまうと,準拠法の内容によっては,買主が伝えた目的に適合することを売主が黙示に保証したとみなされてしまうこともありえますので,注意が必要です。

 国際取引では,自社が属している国の法律ではない法律が思わぬところで適用されて不利益を被ることがありるので,国内取引に比べて,合意事項を詳細に検討し,身長に契約交渉を進めるべきということになります。

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