Over(英文契約書用語の弁護士による解説)

 

 英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正をする際に登場する英文契約書用語に,Overがあります。

 

 これは,英文契約書で使用される場合,数字と組み合わせて使用されることが多く,「…を超えて」という意味で使用されます。

 

 例えば,over thirty (30)という場合,「30超」という意味になります。

 

 30「超」ですので,30は含みません。

 

 同義語としては,more thanがあります。More than thirty (30)と表記した場合も,30「超」という意味ですので,30は含まれません。

 

 More thanの対義語であるless thanも同様に,less thanの後に来る数字そのものは含まず,意味としては,「…未満」という意味になります。

 

 もし,その数字自体含めて,「…以上」という表現をしたい場合は,以下のように表現します。

 

 Overを使用するなら,thirty (30) or overという表現をすれば,直訳すると「30または30超」となるので,要するに,30を含んで,「30以上」という意味になります。

 

 More thanを使用するなら,thirty (30) or moreという表現にすれば,こちらも直訳すると「30または30超」となるので,要するに「30」以上という意味になります。

 

 他にも,at least thirty (30)も「少なくとも30」ということですので,「30以上」を表します。

 

 否定形と一緒に表現することも可能です。

 

 Not less than thirty (30)とすると,「30未満ではない」「30より下ではない」という意味ですので,つまり,「30以上」という意味になります。

 

 反対に,30を含んで「30以下」を表したいときは,more thanの反対の表現をして,thirty (30) or lessとすれば,「30またはそれより下」という意味なので,「30以下」ということになります。

 

 また,否定形と組み合わせて表現する場合は,not more than thirty (30)とすれば,「30超ではない」ということになりますので,「30以下」という意味になります。

 

 細かいようですが,このような数字を伴う表現で「勘違い」があると後で重大なトラブルになる可能性がありますので,決して細かい話ではなく,十分な注意が必要です。

 

 確かに,例えば,当事者が契約を解除するための日数が,催告をしてから14日以上=14 or more daysなのか,それとも14日超=more than 14 daysなのかは,実際には念のため14日を超えてから解除扱いとしておけば大きな問題にはならないので,このような場合はそれほど気にならないかもしれません。

 

 契約解除の効果が生じたと言えるまで14日待機しようが15日待機しようが,特殊な事情がない限りあまり大きな影響はないからです。

 

 しかしながら,例えば,一台一台が高額な機械などを仕入れるという売買契約があった場合に,英文契約書にmore than three (3)と書いてあったとします。

 

 この場合に,買主は,最低3台購入する,つまり,3台を購入すればノルマを達成できると考えていたとします。

 

 ところが,英文契約書上は,more than three (3)と書かれていますので,前述したとおり,3超ですので,上記の場合の買主の理解は誤解であり,実際には4台以上購入しなければならないということになります。

 

 機械の一台あたりの単価が高額であるような場合,1台の差が大きな影響を与えることになりかねませんので,英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正をする際には,数字の表現には敏感にならなければなりません。

 

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