Discontinue(英文契約書用語の弁護士による解説)

 

 英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正する際によく登場する英文契約書用語に,Discontinueがあります。

 

 これは,色々な意味がありますが,英文契約書でよく使用される意味は,「(商品)を廃止する」です。

 

 日本の実務でよく「ディスコン」などと言うことがありますが,これはdiscontinueの略です。ちなみに,英語ではdisconなどとは表記しませんのでご注意下さい。

 

 販売店契約(Distribution/Distributorship Agreement)などの継続的な売買契約では,個別の商品の売買が中長期的に繰り返されます。

 

 そうすると,時間の経過とともに,商品がライフサイクルをたどり,どこかの段階でその商品の寿命が来て,サプライヤーがその商品をラインナップから外したり,サプライヤーが何らかの理由からその商品の製造を中止したりするということが起こります。

 

 こうした製造中止などによる商品の廃止をdiscontinueという用語で表すことが多いです。

 

 商品の廃止については,販売店(Distributor)からすれば不利益が大きい場合があります。

 

 これまで,長年に渡って,販売していた商品が今後供給されないということになると,特にB to Bであるような場合,卸先の業者からクレームを受ける可能性もあります。

 

 また,生産中止になる商品の在庫を大量に持っているような場合,生産中止のアナウンスによって人気がなくなりその商品が売れなくなるという危険もあります。

 

 そうなると,在庫が焦げ付いてしまうので,セールでたたき売りをせざるを得ず,損失が大きくなるという危険があります。

 

 ただ,サプライヤーからすると,商品を生産し続けるかどうかは,他の商品や他の販売地域での売れ行きや,事業戦略によって変わってきますので,生産継続や供給継続が契約書で義務付けられるのは拒否したいという事情があります。

 

 一般的には,製品の供給はある程度サプライヤーの裁量の範囲内ですので,契約書によって商品の供給義務をサプライヤーに課すというのは難しいように思います。

 

 契約書でサプライヤーに供給義務を課す場合は,販売代理店が購入数量を設定して,その数量は買い取るので,サプライヤーは同量以上を供給しなければならないという内容で契約書に記載することはあります。

 

 要するに,販売店の最低購入数量分はサプライヤーが供給しなければならないという内容ですので,いわば当然の内容です。

 

 このように,正面切っての供給義務や生産義務を定めるのはハードルが高いです。

 

 ただし,販売店(Distributor)としては,突然これまで扱っていた商品が廃止されたり,大量の生産中止の商品を在庫として抱えていたりという状態を避けたいでしょうから,なるべく早期に生産中止の連絡をサプライヤーからもらいたいという事情があるでしょう。

 

 サプライヤーにとっても,生産中止となった商品の在庫を販売店が大量に抱えていて,在庫一掃セールなどでたたき売りされていますと,サプライヤーのブランドが傷つけられるおそれがあるので,このような措置は一定のメリットがあります。

 

 そのため,英文契約書では,サプライヤーが商品の生産を終了する(discontinue)場合には,余裕をもって販売店(Distributor)に通知することが義務付けられていることが多いです。

 

 サプライヤーにしても,販売店(Distributorにしても,英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳)する際には,商品の生産や供給については,利害関係が大きいですので,十分に注意する必要があります。

 

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