Public domain(英文契約書用語の弁護士による解説)

 

 英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正をする際によく登場する英文契約書用語に,Public domainがあります。

 

 これは,英文契約書で使用される場合,通常,「公有財産」という意味で使用されます。

 

 Public domainという英文契約書用語が最もよく使用されるのは,秘密保持義務条項の中でしょう。

 

 秘密保持義務条項を定める際に,何が秘密情報として取り扱われるのか,秘密情報の定義をすることが通常です。

 

 この定義の中で,秘密情報に該当しない例外を設けることが一般的です。

 

 その例外,つまり,秘密情報に該当しない例の一つが,このpublic domainということになります。

 

 要するに,すでに公の財産となっていて広く利用されているような情報や知見は,守秘義務の対象となるような機密性のある情報とはいえないので,例外に該当するとするわけです。

 

 ところで,守秘義務については,契約の期間が満了したり,契約が途中で解除により終了したりした場合でも,その後も守秘義務は一定期間継続すると契約書で定めることが一般的です。

 

 例えば,守秘義務条項については,契約終了後も3年間は有効のまま継続するなどと定められます。

 

 そうすると,原則として,契約が終了したとしても,向こう3年間は,なお秘密情報を秘密として管理し,第三者に開示したりしてはならないということになります。

 

 もっとも,現代はテクノロジーやビジネスの変化のスピードが凄まじく速いです。

 

 そのため,ある時点では希少性があり,価値があった情報も,あっという間に陳腐化します。

 

 陳腐化するということは,コモディティ化するということを意味することがありますから,その場合,3年の経過を待たずに,その秘密情報はすでにpublic domain化してしまったということもありえます。

 

 そのため,秘密保持義務に関しては,義務の存続期間に注意を払うだけではなく,時間が経過したことにより,秘密情報の例外であるpublic domainに該当するようになったといえないかについても注意を払う必要があります。

 

 これからは,あらゆるビジネスで,オープンソース化,オープンイノベーションの拡充が進行すると思われます。

 

 そうすると,秘密情報の価値のあり方もどんどん変化すると思われます。

 

 これだけ情報のアップデートが激しく,かつ,拡散していく世の中では,知的財産権に該当するようなものを登録して守っていく戦略が正しいのかということも問題になる場面が増えていくでしょう。

 

 また,知的財産権に該当するようなものではないノウハウのようなものにどのように価値を与えてマネタイズしていくかは,これまでの常識とは異なる工夫が必要になってくるでしょう。 

 

 Public domainに該当する情報は,AIの進化によって,これからどんどん加速度的に量産されていくのではないかと考えています。

 

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