Delay/Late(英文契約書用語の弁護士による解説)

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Delay/Lateとは,英文契約書において「遅延」という意味で使用される用語です。

 

 英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正する際によく登場する英文契約書用語に,Delay/Lateがあります。

 

 これは,英文契約書で使用される場合,通常,「遅延」という意味で使用されます。

 

 英文契約書では,納期や支払期日など,この日までに一定の行為をすることが義務付けられている期限が定められることが多いです。

 

 これに遅れることを,delayやlate(遅延)と呼ぶことがあります。

 

 商品の引渡期日に遅れた場合に,売主側が何らかの賠償責任などの責任を負うかというと,海外取引では,輸送のハードルが国内取引よりも高いので,一般的には,納期保証をして,遅れた場合には売主が損害賠償するという規定はあまり見られないかと思います。

 

 もちろん,通常は,英文契約書には,ボイラープレート条項の一つとして,不可抗力条項(Force Majeure)が定められているので,そもそも不可抗力によって納期遅延が起きた場合には,売主は責任を負わないのが一般的です。

 

 ただ,長距離輸送なので,たくさんのプレイヤーが物流に登場しますので,そうした不可抗力とは言えない事由によって,納期に遅れるということも,国内取引よりも起きやすいわけです。

 

 そのため,売主としては,納期保証をするというのは相当に勇気がいるということになり,あまり契約書には挿入されないという事情があります。

 

 また,金銭の支払いについても,英文契約書において支払期日が定められるのが通常です。

この支払期日に遅れた場合は,支払者は,遅延損害金という損害賠償をしなければならないと契約書に定められることがあります。

 

 例えば,If the Buyer fails to pay the price by the due date, the Buyer shall pay to the Seller a late payment charge at the rate of 14.6% per annum from the day after the due date until full payment.(買主が,支払期日までの代金の支払いを怠った場合には,買主は売主に対し,支払期日の翌日から完済まで年14.6%の割合による遅延損害金を支払う。)などと規定されます。

 

 こうした遅延損害金条項を入れる意味は,実際に支払遅延が生じた場合に,高率の利率をとって儲けようということではなく,もちろん,主眼は,期日までに支払わないと余計な金銭を付加して支払わないといけないという「脅し」によって,支払いを促すということにあります。

 

 そのため,利率については,支払いを促すレベルの利率でなければ意味がないでしょう。

 

 ただ,高率であれば良いのかというと,そうではありません。

 

 高率すぎれば,そもそも相手方が承諾してくれないこともあるでしょうし,法律によって遅延損害金の利率を制限している国が多いからです。

 

 そのため,英文契約書では,一応当事者が合意した遅延損害金利率を記載したうえで,もし,その利率が,法律の規制上限を超えてしまう場合は,法律の上限の利率を適用すると定めることが多いです。

 

 これによって,遅延損害金条項そのものが,利息制限法に違反したことにより無効となって,何の取り決めもされなかったのと同じ結果になることを防ぐという狙いがあります。

 

 もちろん,事前に準拠法が定めている最高利率を調べて,その利率を英文契約書に記載するという方法もありますが,調査が大変です。

 

 また,すでに英文契約書のひな形がある場合,準拠法に応じて,都度,遅延損害金利率を変更するというのは手間ですし,もし調査結果が間違っていたような場合に無効になる危険があります。

 

 そのため,予め,合意した利率か,法律で認められる最高利率のいずれか低い利率を適用すると定めたりするのです。

 

 納期や支払期日に遅れた場合のペナルティは,当事者にとっては大きな関心事ですので,十分に協議してお互いが納得のいく条件を定めることが大切です。

 

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弁護士 菊地正登(片山法律会計事務所)/相談・案件実績 2,931件

執筆 弁護士 菊地正登(第二東京弁護士会/片山法律会計事務所)

2003年弁護士登録。英国 University of Southampton のLL.M(法学修士)コースワークで英米法・国際取引法等を学び,ロンドンの法律事務所 Hill Dickinson LLP で実務経験。英文契約書・国際取引を中心に取り扱っています。プロフィール

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