Substantive law(英文契約書用語の弁護士による解説)
英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正する際によく登場する英文契約書用語に,Substantive lawがあります。
これは,英文契約書で使用される場合,通常,「実体法」という意味で使用されます。
Substantive law(実体法)というのは,日本法でいうと,民法や商法などの法律のことです。
権利義務の内容や発生要件,消滅や変更に関するルールが定められています。
対義語は,Procedural law(手続法)となります。
これは,まさに手続きに関する法律のことで,日本法でいえば,民事訴訟法や刑事訴訟法が該当します。
英文契約書では,準拠法(Governing Law/Applicable Law/Choice of Law)を選択して明記することがありますが,ここでいう準拠法というのは,通常,Substantive law(実体法)のことを指しています。
Procedural law(手続法)のほうは,例えば,Jurisdiction(裁判管轄)を日本と選択していれば,自動的に,日本の裁判所は民事訴訟法にしたがって訴訟を指揮・運営するので,日本の民事訴訟法というProcedural law(手続法)が選択されることになります。
Procedural law(手続法)は,あくまで,裁判の進行などについて定めた法律なので,日本の裁判所であれば,日本の民事訴訟法にしたがって裁判が進行することになるからです。
そのため,例えば,日本の裁判所において準拠法を英国法で裁判をするということは理論上成り立ちます。
しかしながら,日本の裁判所において,準拠法を日本法にして,英国の民事訴訟法にしたがって裁判をするというのは不可能ということになるわけです。
このように,Substantive law(実体法)とProcedural law(手続法)というものは,まったく別次元のルールを定めた法律であるということを理解しておく必要があります。