Grace Period(英文契約書用語の弁護士による解説)
英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正する際によく登場する英文契約書用語に,Grace Periodがあります。
これは,英文契約書で使用される場合,通常,「猶予期間」という意味で使用されます。
もともとは,特許に関し,発明の公表に伴う新規性喪失の猶予期間のことをいいました。
ただ,それが一般用語化して,英文契約書で猶予期間という意味で使用されるようになりました。
例えば,当事者の一方が契約違反をした場合に,その違反を是正するよう通知をして,一定期間経過しても是正がなければ,契約を解除できると英文契約書に定めることがあります。
この際の一定期間のことをGrace periodと表記することがあります。
特許の新規性要件などとは関係なく,一定の猶予期間という意味で使用されていることがわかると思います。
Grace periodという用語が特許とは関係のない契約書で登場した場合は,単に一定の猶予期間という意味で使用されている可能性が高いので,英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正する際に,混乱しないようにして下さい。
このGrace periodがどの程度設定されているかは,当然ですが重要です。
契約解除という重要な法律効果がいつ生じるのかなどに関わるからです。
期間が短すぎて不利益を被る場合は長くするよう交渉すべきですし,逆に,猶予期間が長すぎて不利益を被る場合には,短くするように交渉すべきです。
Grace periodが妥当な範囲内にあるかどうかを,英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正する際にはきちんと確認することが大切です。