Actual cost(英文契約書用語の弁護士による解説)
英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正する際によく登場する英文契約書用語に,Actual costがあります。
これは,英文契約書で使用される場合,通常,「実費」という意味で使用されます。
業務委託契約(Service Agreement)などでは,受託者が委託者のために委託業務を行いますが,その際に実費がかかることがあります。
こうした実費のことをActual costと呼ぶことがあります。
業務委託契約などでは実費を誰が負担するのかについて英文契約書で予め決めておかないと後でトラブルになることがあります。
報酬に含めてしまい実費が生じる場合は受託者が負担するとする場合と,報酬とは別に実費が発生する場合は実費を委託者が負担するというパターンがあります。
なお,委託者が実費を負担する場合,上限を決めておいたり,飛行機やホテルの実費の場合はグレードを決めておいたりしないと,受託者が高額な実費を請求してトラブルになることがあります。
海外取引の実費は国をまたいだ出張などがありえますので,たかが実費と考えてはいけません。
ファーストクラスやビジネスクラスで移動し,5つ星ホテルでルームサービスをたくさん注文して請求書が来たなどというケースもあります。
こういう場合に実費の上限や利用制限などを英文契約書に記載していないと紛争になってしまいます。
Actual costは重要な問題ですので,契約書で事前に明確に取り決めておくと良いでしょう。