Resolution(英文契約書用語の弁護士による解説)
海外進出・海外展開をするときに必要になる英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正する際によく登場する英文契約書用語に,Resolutionがあります。
これは,英文契約書で使用される場合,通常,「決議」という意味で使用されます。
英文契約書の他,定款などでもよく使われる用語です。
例えば,日本企業と海外企業がある取引関係に入る際,海外企業の現地の法律で,その取引をするためには取締役会の承認が必要とされているとします。
このような場合に,きちんと海外企業が取締役会の承認を得るように,契約書に承認決議の取得を義務として記載することがあります。
この決議のことを,Resolutionと英語では呼びます。
もし海外企業が要件となっている取締役会決議を経ていなかった場合にどうなるかは,現地の法律などで規定されていることが多いですが,そもそもこのような事態はできるだけ避けるべきです。
そのため,場合によっては,契約書に承認決議を得る義務を記載するだけではなく,現実に取締役会決議を行った証拠として議事録の写しを提出させるということをすることもあります。
日本における会社法のような法律が各国にも存在していることが多いですから,現地法が要求する手続きをきちんと履行しているかどうかも場合によっては厳格にチェックする必要があります。
もし,現地の会社が取締役会の承認決議を得るという約束に違反すれば,契約違反を理由とした損害賠償請求ができるでしょうが,だからといって,手続き的に必要な取締役会の承認を得ていないという問題は解消できません。
このように,手続き的な問題と契約違反があった場合の救済措置の問題は切り離して考えるようにしましょう。
あくまで手続き的な問題は手続きの中で解決しないと瑕疵が治癒されない場合が多いので気をつけましょう。
そして,手続き的な問題は現地の法律が適用される可能性が高いこともまた注意しなければならないポイントです。