Incumbent(英文契約書用語の弁護士による解説)
海外進出・海外展開をするときに必要になる英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正する際によく登場する英文契約書用語に,Incumbentがあります。
これは,英文契約書で使用される場合,通常,「現職(者)」という意味で使用されます。
例えば,会社の取締役や監査役などの役員の現職者を表現するときにこのIncumbentという用語が使われることがあります。
企業の役員は,任期がありますし,辞任などで退任することもありますので,現職者から新しい候補者に交代することがあります。
このような内容が英文契約書や英文定款に記載されており,この場合の現職者をIncumbentと表現することがあります。
それほど頻出する用語というわけではないですが,英文契約書や英文定款を作成する際に,「現職者」をどのように翻訳すべきか迷ったときは,このIncumbentという用語を使うとすっきりと意味がとおるかもしれません。
役職の任期満了や交代というのはトラブルを招きやすいタイミングですので,このような機会の取扱については予め契約書などで詳細に取り決めておくことが大切です。