Ownership(英文契約書用語の弁護士による解説)
英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正する際によく登場する英文契約書用語に,Ownershipがあります。
これは,英文契約書で使用される場合,通常,「所有権」という意味で使用されます。
類義語には,titleが挙げられます。こちらも通常「所有権」という意味で英文契約書では使用されます。
売買契約(Sales Agreement)や販売店契約(Distribution/Distributorship Agreement)で,商品の所有権がいつ移転するかが問題になることがあります。
所有権が売主から買主にいつ移転するかがわからないと,買主が商品をどのタイミングで自由に使用・収益・処分して良いのかがわからないからです。
そのため,契約書で予め所有権の移転時期を定めることがあります。
この所有権を表現するときに,英文契約書では,ownershipやtitleがよく使われます。
ちなみに,インコタームズ(Incoterms)は危険(Risk of Loss)の移転については規定していますが,所有権の移転については規定していません。
したがって,インコタームズの貿易条件を契約書で選択しても,所有権の移転時期を定めたことにはなりませんので,注意が必要です。