Slander(英文契約書用語の弁護士による解説)
英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正する際によく登場する英文契約書用語に,Slanderがあります。
これは,英文契約書で使用される場合,通常,「名誉毀損」という意味で使用されます。
とりわけ,slanderという表現をした場合は,主として口頭表現による名誉毀損を指します。
これに対し,同じ名誉毀損でも,主に書面で行う名誉毀損のことはlibelと表します。
これらのslanderとlibelという用語を総称して,およそ「名誉毀損」という表現をする場合は,defamationという用語を使います。
このように,名誉毀損の手段によって使う用語が一応分かれています。
そのため,例えば,名誉毀損的な活動をすることを禁止するという条文を英文契約書に入れたとして,libelだけを契約書に記載した,または,slanderだけを契約書に記載したとなると,場合によって,書面による名誉毀損だけが禁止された,または,口頭による名誉毀損だけが禁止されたなどと解釈されてしまう危険があります。
こうしたことを避けるためには,libelとslanderの両方を入れたり,総称としてのdefamationという用語を使用したりしたほうが無難といえるでしょう。