Deposition(英文契約書用語の弁護士による解説)
英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正をする際によく登場する英文契約書用語に,Depositionがあります。
これは,英文契約書で使用される場合,通常,「預託」という意味で使用されます。
主として,金銭や財産を預け入れるという文脈でこのdepositionは登場します。
はじめての取引先で,特に相手が海外企業の場合,売主としては支払いをきちんとしてくれるかどうかが非常に不安です。
そのため,売主は,代金前払いで合意したり,L/Cで取引したりと代金の支払いを確保するためにいろいろな手段を講じます。
こうした代金支払確保の手段の一つとして考えられるのが,depositionによる取引です。
これは,売主が買主から継続的な取引を前提に,一定の金額の金銭を最初に預託金・保証金として預かり,もし取引の最中に不払いが起こったら,預託金から代金を控除して支払いに充当するという方法です。
一種の担保であり,売主としては買主の支払い遅延や不払いに対抗する手段として採用することがあります。
当然ですが,商品の売買契約において代金の支払いは重要なテーマです。
特に売主にとって,海外企業が相手の場合,代金支払リスクは高いものとなるので,できるだけ未回収にならないようにあらゆる方策を事前に検討しておくことが大切になります。