Deposition(英文契約書用語の弁護士による解説)
英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正をする際によく登場する英文契約書用語に,Depositionがあります。
これは,英文契約書や英米の訴訟・紛争解決において使用される場合,通常,「証言録取」(宣誓証言)という意味で使用されます。
Depositionとは,主としてアメリカの民事訴訟において,正式な裁判(trial)が開かれる前に,証人から宣誓の上で証言を取得する手続のことをいいます。
アメリカの民事訴訟では,正式な裁判に先立ち,「Discovery(証拠開示手続)」と呼ばれる手続があります。Depositionはこのディスカバリーの一環として行われます。
Depositionでは,当事者の代理人弁護士(attorney)が,証人を宣誓させた上で口頭で尋問し,その証言内容を裁判所書記官(court reporter)が記録します。この際,相手方弁護士も立会い,反対尋問(cross-examination)を行うことができます。
このようにして記録された証言録取書(deposition transcript)は,後の正式な裁判において証拠として使用されたり,証人が法廷で異なる証言をした場合に弾劾証拠(impeachment evidence)として用いられたりします。
英文契約書においては,紛争解決条項(Dispute Resolution Clause)や秘密保持条項(Confidentiality Clause)の文脈で,discovery手続やdepositionに言及されることがあります。
なお,depositionはアメリカの訴訟手続で特に発達した制度です。イギリスをはじめ他のコモンロー諸国にも類似の手続はありますが,その内容・範囲は異なります。また,日本を含む大陸法系の国には,一般的にdepositionと同等の手続は存在しません。