シンガポールの法制度|販売店契約で注意すべき4つのポイント

asia-1782429_640.jpg
英文契約書のレビュー・英訳・和訳のご相談を受け付けています。契約書を添付して無料見積 →

日本企業が販売店(Distributor)を指名してシンガポールに進出する際は,以下のようなシンガポールの法制度に注意したほうがよいでしょう。

シンガポールの法制度 早見表

法体系コモン・ロー(英国法の影響)
販売店の保護販売店保護法はなく,契約の定めが原則優先(不公正契約条項法に一応注意)
契約の登録不要
言語の規制なし(英語が公用語の一つで,英文契約書で通用)
準拠法・紛争解決外国法も選択可。シンガポール法・SIAC仲裁とすることも広く行われている

こんな方に:シンガポール企業を販売店・代理店に指名しようとしている方,シンガポール企業から販売店契約のドラフトを受け取った方

① 販売店(代理店)保護法

シンガポールは歴史的に英国法の影響を受けた,コモン・ローの法体系に属する国です。シンガポールには,いわゆる販売店(代理店)保護法として,販売店や代理店を保護するために独自に制定された法律は存在していません。そのため,販売店契約を締結した場合に,契約を終了するのに一定の猶予期間を設けなければならないなどの制約は直接的には定められていません。

日本の民法・商法に相当するシンガポールの法律には,販売店契約に適用される規定のうち,いわゆる「強行法規/強行規定」として当事者の合意に優先して適用される重要なものは,原則としてないと考えてよいかと思います。そのため,シンガポールの法律とは異なる内容でも,契約書で明確に定めておけば,原則として契約書の内容のとおり効果が認められると考えてよいでしょう。

したがって,販売店契約の終了に関してサプライヤーがよく挿入する傾向にある中途解約条項,債務不履行解除条項,期間満了による契約終了条項(更新拒絶条項)なども,基本的には契約書に定めたとおりに効果が得られると考えてよいかと思います。また,販売店契約では,契約終了を理由に,販売店(Distributor)がサプライヤーに対して補償金などの支払いを要求してくることがあります。そこで,この類の請求は一切認められない旨を契約書に記載することも多いです。

実務上のポイント:この点については,シンガポールにもUnfair Contract Terms Act(不公正契約条項法)という法律があります。同法は主に責任を免除・制限する条項を規制するもので,一方当事者の標準約款によって契約した場合などには,合理性のない条項が無効とされることがあるので,一応注意が必要です。

もっとも,同法には,国際的な物品供給契約についての適用除外(26条)や,当事者の選択のみによってシンガポール法が準拠法となる場合の適用制限(27条)もあります。

シンガポールの販売店との契約書,免責・責任制限の条項は大丈夫ですか?

契約書を添付して無料で見積を依頼する

当日〜翌営業日中にお見積りをご回答します(正式ご依頼まで費用はかかりません)

② 登録制度

シンガポールでは,販売店契約(Distribution/Distributorship Agreement)を当局に登録しなければならないという制度はありません。そのため,当局への登録が原因で,旧販売店との契約を解消して新販売店との契約に移行するのが困難になるなどの事情も存在しないといえます。

③ 言語

シンガポールでは公用語の一つが英語ですので,英文契約書で問題なく通用します。

④ 準拠法・紛争解決

シンガポールでは,準拠法をシンガポール法にしなければならないという規制はないため,外国法を準拠法とすることも可能です。ただ,紛争解決については,シンガポールは積極的に国際紛争を受け入れているという事情もあるので,シンガポール法を準拠法とし,シンガポール国際仲裁センター(SIAC)を紛争解決機関として選定することも,日本企業との取引で広く行われています。

シンガポールの販売店と契約する前に確認したいポイント

  • ✓中途解約・債務不履行解除・期間満了による終了の各条項を明確に定めているか
  • ✓契約終了時の補償金請求を認めない旨を契約書に記載しているか
  • ✓標準約款を用いる場合,免責・責任制限条項が不公正契約条項法との関係で合理的といえるか
  • ✓準拠法・紛争解決(シンガポール法・SIAC仲裁を求められた場合の対応)

【ご注意】本記事は,執筆・更新時点において一般的なレベルで調査した結果を参考情報として記載したものにすぎず,個別の案件についての法的助言ではありません。各国の法令・判例・実務は改正等により変更されることがあり,本記事の内容の正確性・完全性・最新性を保証するものではありません。実際にお取引を検討される際は,必ず現地の法律に精通した弁護士に最新の情報をご確認ください。

シンガポールの販売店との契約書に不安はありませんか?

契約書を添付してお送りいただければ、当日〜翌営業日中に弁護士が内容を確認し、無料でお見積をご回答します。正式にご依頼いただくまで費用は一切かかりません。

契約書を添付して無料で見積を依頼する

英文契約書のリーガルチェックを依頼する

実際の納品物サンプル(修正履歴・コメント入り)を見る

料金表(PDF)をダウンロードする

弁護士 菊地正登(片山法律会計事務所)/相談・案件実績 2,931件

執筆 弁護士 菊地正登(第二東京弁護士会/片山法律会計事務所)

2003年弁護士登録。英国 University of Southampton のLL.M(法学修士)コースワークで英米法・国際取引法等を学び,ロンドンの法律事務所 Hill Dickinson LLP で実務経験。英文契約書・国際取引を中心に取り扱っています。プロフィール

お問合せ・お見積り依頼はこちら(見積無料)

 まずはお見積りをご依頼ください(見積無料・守秘義務により秘密厳守)

正式ご依頼まで料金不要/当日または翌営業日中に見積回答

 お問合せフォーム・メールがスムーズです

✉ お問い合わせはこちら(見積無料)

問合せフォーム24時間受付中

お電話でのお問合せはこちら
03-6453-6337

担当:弁護士 菊地正登(キクチマサト)

受付時間:9:00~18:00
定休日:土日祝日

※契約書を添付して頂ければ見積回答致します
受付時間:24時間

 英文契約書の作成・翻訳・リーガルチェック(全国対応),累計相談実績2,931件の弁護士菊地正登です。弁護士歴23年(国際企業法務歴17年),約3年間の英国留学・ロンドンの法律事務所での勤務経験があります。英文契約・国際取引を中心に取り扱い,高品質で迅速対応しています。お気軽にお問合せ下さい。

お気軽にお問合せください

お電話でのお問合せ

03-6453-6337

<受付時間>
9:00~18:00
※土日祝日は除く

弁 護 士 情 報

弁護士  菊  地  正  登
片山法律会計事務所

東京都港区芝5-26-20
建築会館4F
tel: 03-6453-6337
email: kikuchi@mkikuchi-law.com

片山法律会計事務所

住所

〒108-0014
東京都港区芝5-26-20
建築会館4F

アクセス

都営三田線・浅草線三田駅またはJR田町駅から徒歩約3分です

受付時間

9:00~18:00

定休日

土日祝日

 弁護士インタビュー動画

書  籍

士業・翻訳業者・保険会社・金融機関の方へ

各士業の先生方,翻訳業者,保険会社,金融機関のお客様の英文契約書に関する案件についてお手伝いさせて頂いておりますので,お気軽にご紹介下さい。

ご依頼方法

メールでのやり取りを基本としています(必要に応じて電話・Web会議にも対応します)。

サイト内検索 - 英文契約書用語の検索ができます -