アメリカの法制度

andrea-cau-nV7GJmSq3zc-unsplash.jpg
英文契約書のレビュー・英訳・和訳のご相談を受け付けています。契約書を添付して無料見積 →

 日本企業が販売代理店(Distributor)を指名してアメリカ(U.S.A.)に進出する際,以下のようなアメリカの法制度に注意したほうが良いでしょう。

 

 ① 販売店(代理店)保護法

 アメリカは,イギリスから独立した経緯を持つため,イギリス法の影響を受けたコモンローの法体系に属する国の一つです。

 

 もっとも,アメリカは州制度を採用しているので,連邦法と州法と2つの法体系を有し,一口にアメリカ法といっても州によってかなり法律の内容が異なります。

 

 弁護士資格も州ごとに付与されていることを見ても,各州によって法制度が異なることは理解できるでしょう。

 

 そのため,アメリカの法律を調査する際は,州レベルで調査をする必要があることに注意しなければなりません。

 

 なお,アメリカには,いわゆる販売店(代理店)保護法として販売店や代理店を一般的に保護するために制定された連邦法は存在していません。もっとも,州法レベルでは,ウィスコンシン州のFair Dealership Lawのように販売店(ディーラー)を保護する法律を設けている州もあるため,対象となる州の州法を確認する必要があります。

 

 さらに,商標の使用許諾,サプライヤーによる重要な統制・支援,一定額以上の支払い(FTCフランチャイズ規則上,営業開始前から開始後6か月以内の支払総額が735米ドル以上)という要件をすべて満たす場合には,販売店契約であっても「フランチャイズ」に該当し,連邦取引委員会(FTC)のフランチャイズ規則上の開示義務や,州法上の登録・開示義務が生じることがあるので注意が必要です(通常の卸売価格での商品の購入は,原則としてこの支払いには当たらないとされています)。

 

 また,販売店契約のうち物品の売買に関する部分には,一般に,各州が統一商事法典(Uniform Commercial Code: UCC)の第2編をもとに制定した州法が適用されます(ルイジアナ州など一部例外があります)。

 

 販売店保護法制を持つ州の場合や,業種別のディーラー保護法(自動車,酒類,農機具など),フランチャイズ関係の法律が適用される場合を除き,販売店(代理店)保護法のような強行法規/強行規定はないため,各州の法律とは異なる内容でも,契約書で明確に定めておけば原則として契約書の内容のとおり効果が認められると考えて良いでしょう。ただし,統一商事法典(UCC)2-309条(3)は,合意された事由の発生による場合を除き,一方当事者が契約を終了させるには相手方への合理的な通知を要するとしており,通知を不要とする合意は,その適用が非良心的(unconscionable)となる場合には無効とされます。

 

 このような制約はあるものの,販売店契約(Distribution/Distributorship Agreement)の終了に関してサプライヤーがよく挿入する傾向にある

①中途解約条項,

②債務不履行解除条項,③契約期間の満了による終了条項(更新拒絶条項)

なども,基本的には契約書に定めたとおりに効果が得られると考えて良いかと思います。

 

 ただし,米国にも当事者の合意に優先して適用される反トラスト法(独占禁止法)が存在します。サプライヤーが単独で取引を拒絶することは原則として適法とされていますが,販売店契約の解除や更新拒絶が他の販売店との共謀や再販売価格の拘束に基づくものであるとして,販売店がシャーマン法違反などを主張してくることが考えられます。

 

 ② 登録制度

 アメリカでは,連邦法において販売店契約(Distribution/Distributorship Agreement)を当局に登録しなければならないという制度はありません。

 

 ただし,販売店契約がフランチャイズやビジネス・オポチュニティに該当する場合には,一部の州法上,開示書面などの当局への登録が必要となることがあるので注意が必要です。

 

 ③ 言語

 言うまでもありませんが,公用語が英語ですので英文契約書の締結が可能です。

 

 ④ 準拠法・紛争解決

 前述したとおり,アメリカでは州法が存在するので準拠法をアメリカ法にする場合,U.S.A.の法律というのではなく,どの州の法律を準拠法とするのか(例えばカリフォルニア州)も選択する必要があります。

 

 アメリカでの仲裁を選択することも多くあります。例えば,ニューヨーク州に本部があるアメリカ仲裁協会(American Arbitration Association:AAA)において仲裁を行うなどと取り決められることがあります。

 

 以上が,日本企業がアメリカ企業を販売店として指名し同国に進出を考える際に最低限知っておいたほうがよい法制度の概要です。

【ご注意】本記事は,執筆・更新時点において一般的なレベルで調査した結果を参考情報として記載したものにすぎず,個別の案件についての法的助言ではありません。各国の法令・判例・実務は改正等により変更されることがあり,本記事の内容の正確性・完全性・最新性を保証するものではありません。実際にお取引を検討される際は,必ず現地の法律に精通した弁護士に最新の情報をご確認ください。
IMG_6603 resized 2.jpg

 

 アメリカ進出に関するサービス内容のお問合せ,見積依頼は下記からお気軽にどうぞ。

 

 正式にご依頼頂くまで料金はかかりません。

 

 原則として,当日,遅くとも1営業日以内(24時間以内)に折り返しご連絡させて頂いております。

販売店契約書の内容に不安はありませんか?

契約書を添付してお送りいただければ、当日〜翌営業日中に弁護士が内容を確認し、無料でお見積をご回答します。正式にご依頼いただくまで費用は一切かかりません。

契約書を添付して無料で相談する

実際の納品物サンプル(修正履歴・コメント入り)を見る

料金表(PDF)をダウンロードする

弁護士 菊地正登(片山法律会計事務所)/相談・案件実績 2,925件

執筆 弁護士 菊地正登(第二東京弁護士会/片山法律会計事務所)

2003年弁護士登録。英国 University of Southampton のLL.M(法学修士)コースワークで英米法・国際取引法等を学び,ロンドンの法律事務所 Hill Dickinson LLP で実務経験。英文契約書・国際取引を中心に取り扱っています。プロフィール

お問合せ・ご相談はこちら(無料)

 まずはお気軽にご相談・見積依頼をどうぞ(守秘義務により秘密厳守)

正式ご依頼まで料金不要/当日または翌営業日中に見積回答

 お問合せフォーム・メールがスムーズです

✉ お問い合わせはこちら(見積無料)

問合せフォーム24時間受付中

お電話でのお問合せ・ご相談はこちら
03-6453-6337

担当:弁護士 菊地正登(キクチマサト)

受付時間:9:00~18:00
定休日:土日祝日

※契約書を添付して頂ければ見積回答致します
受付時間:24時間

 英文契約書の作成・翻訳・リーガルチェック(全国対応),累計相談実績2,925件の弁護士菊地正登です。弁護士歴23年(国際企業法務歴17年),約3年間の英国留学・ロンドンの法律事務所での勤務経験があります。英文契約・国際取引を中心に取り扱い,高品質で迅速対応しています。お気軽にお問合せ下さい。

お気軽にお問合せください

お電話でのお問合せ

03-6453-6337

<受付時間>
9:00~18:00
※土日祝日は除く

弁 護 士 情 報

弁護士  菊  地  正  登
片山法律会計事務所

東京都港区芝5-26-20
建築会館4F
tel: 03-6453-6337
email: kikuchi@mkikuchi-law.com

片山法律会計事務所

住所

〒108-0014
東京都港区芝5-26-20
建築会館4F

アクセス

都営三田線・浅草線三田駅またはJR田町駅から徒歩約3分です

受付時間

9:00~18:00

定休日

土日祝日

 弁護士インタビュー動画

書  籍

士業・翻訳業者・保険会社・金融機関の方へ

各士業の先生方,翻訳業者,保険会社,金融機関のお客様の英文契約書に関する案件についてお手伝いさせて頂いております。

ご紹介頂いたお客様の初回相談料は無料ですので,お気軽にお問合せ下さい。

ご相談方法

メール・電話・Web会議による対応を行っております。

サイト内検索 - 英文契約書用語の検索ができます -