オランダの法制度|販売店契約で注意すべき4つのポイント
日本企業が販売店(Distributor)を指名してオランダに進出する際は,以下のようなオランダの法制度に注意したほうがよいでしょう。
オランダの法制度 早見表
| 販売店の保護 | 販売店保護法はないが,判例上,解除の制限・予告期間・補償金が認められることがある |
|---|---|
| 契約の登録 | 不要 |
| 言語の規制 | なし(英文契約書で締結可能) |
| 準拠法・紛争解決 | 準拠法の制限なし(外国法も可)。仲裁ならオランダ仲裁協会(NAI) |
こんな方に:オランダ企業を販売店・代理店に指名しようとしている方,オランダ企業から販売店契約のドラフトを受け取った方
① 販売店(代理店)保護法
オランダには,代理店契約(Agency Agreement)について,民法典第7編(7:428条以下)に代理店を保護するための特別な規定が存在しています。ただし,これは代理店契約のための規定であり,販売店契約(Distribution/Distributorship Agreement)に適用されるものではありません。
オランダには,いわゆる販売店保護法として独自に販売店を保護するために制定された特別法は存在していません。そのため,販売店契約に関しては,契約書で明確に定めておけば原則として契約書の内容のとおり効果が認められると考えてよいでしょう。
実務上のポイント:ただし,オランダの裁判所の判例では,販売店契約の契約解除権の行使について制限を課したり,契約解除通知や自動更新条項がある場合の更新拒絶通知の猶予期間について一定期間設けるように判示したり,契約終了について補償金を支払うように命じたりしたものがありますので,注意が必要です。
② 登録制度
オランダでは,販売店契約(Distribution/Distributorship Agreement)を当局に登録しなければならないという制度はありません。そのため,当局への登録が原因で,旧販売店との契約を解消して新販売店との契約に移行するのが困難になるなどの事情も存在しないといえます。
③ 言語
販売店契約(Distribution/Distributorship Agreement)に関し特に言語的な制約はなく,英文契約書の締結が可能です。
④ 準拠法・紛争解決
販売店契約に関して準拠法の制限はなく,外国法を準拠法としても原則としてそのとおりに効力が生じます。オランダでの仲裁を選択することもあり,例えば,オランダ仲裁協会(Netherlands Arbitration Institute)において仲裁を行うなどと取り決められることがあります。
オランダの販売店と契約する前に確認したいポイント
- ✓契約解除権の行使の要件や手続が契約書で明確に定められているか
- ✓契約解除通知・更新拒絶通知の猶予期間を,判例の傾向を踏まえた長さにしているか
- ✓契約終了時に補償金の支払いを求められる可能性を想定しているか
- ✓準拠法・紛争解決(仲裁を選ぶ場合はオランダ仲裁協会などの仲裁機関)
【ご注意】本記事は,執筆・更新時点において一般的なレベルで調査した結果を参考情報として記載したものにすぎず,個別の案件についての法的助言ではありません。各国の法令・判例・実務は改正等により変更されることがあり,本記事の内容の正確性・完全性・最新性を保証するものではありません。実際にお取引を検討される際は,必ず現地の法律に精通した弁護士に最新の情報をご確認ください。
オランダの販売店との契約書に不安はありませんか?
契約書を添付してお送りいただければ、当日〜翌営業日中に弁護士が内容を確認し、無料でお見積をご回答します。正式にご依頼いただくまで費用は一切かかりません。
弁護士 菊地正登(片山法律会計事務所)/相談・案件実績 2,931件