フランスの法制度
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日本企業が販売代理店(Distributor)を指名してフランスに進出する際,以下のようなフランスの法制度に注意したほうが良いでしょう。
① 販売店(代理店)保護法
フランスは,イギリスに由来するコモン・ローの国ではなく,大陸法(シビル・ロー)の法体系に属する国です。
フランスには,代理店契約(Agency Agreement)については,フランス商法に特別規定がありますが,販売店契約(Distribution/Distributorship Agreement)に適用される特別の規定は存在しません。
そのため,販売店契約(Distribution/Distributorship Agreement)の終了に関してサプライヤーがよく挿入する傾向にある
①中途解約条項,
②債務不履行解除条項,
③期間満了による終了条項(更新拒絶条項)
なども,基本的には契約書に定めたとおりに効果が得られると考えて良いかと思います。
また,販売店契約(Distribution/Distributorship Agreement)では,契約終了を理由に,販売店(Distributor)がサプライヤーに対して補償金などの支払いを要求してくることがありますが,この類の請求は認められない旨を契約書に記載することも多いですが,かかる条項も原則として有効と考えて良いでしょう。
ただし,独占的販売店契約(Exclusive Distribution/Distributorship Agreement)の場合は,原則として契約期間を最長10年間とするという制約があるので注意が必要です。
② 登録制度
フランスでは,販売店契約(Distribution/Distributorship Agreement)を当局に登録しなければならないという制度はありません。
そのため,当局への登録が原因で,旧販売店との契約を解消して新販売店との契約に移行するのが困難になるなどの事情も存在しないといえます。
③ 言語
販売店契約書の言語を特に制限する法律はないので,英語や日本語などの外国語のみでも契約書を作成することが可能です。
ただし,消費者向けに保証の条件や保証範囲を知らせる表示についてはフランス語で表示しなければならないとされているので注意が必要です。
④ 準拠法・紛争解決
フランスでは原則として自国の法律を準拠法としなければならないという制約はないので,外国法を準拠法とすることも可能です。
フランス企業との間での紛争解決は,訴訟を選択されることもありますし,仲裁を選択されることもあります。
第三国での仲裁を選択するような場合は,ロンドンでのICC仲裁規則による仲裁を選択することもあります。
以上が,日本企業がフランス企業を販売店として指名し同国に進出を考える際に最低限知っておいたほうがよい法制度の概要です。
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