イスラエルの法制度
日本企業が販売代理店(Distributor)を指名してイスラエルに進出する際,以下のようなイスラエルの法制度に注意したほうが良いでしょう。
① 販売店(代理店)保護法
中東諸国には,いわゆる販売店(代理店)保護法として独自に販売店や代理店を保護するために制定された法律があることも多いのですが,イスラエルにはこの種の法律は存在していません。
そのため,販売店契約(Distribution/Distributorship Agreement)の契約期間を定めつつ,終了に関してサプライヤーがよく挿入する傾向にある
①中途解約条項,
②債務不履行解除条項,
③契約期間の満了による終了条項(更新拒絶条項)
なども,基本的には契約書に定めたとおりに効果が得られると考えて良いかと思います。
また,販売店契約(Distribution/Distributorship Agreement)では,契約終了を理由に,販売店(Distributor)がサプライヤーに対して補償金などの支払いを要求してくることがありますが,この類の請求は認められない旨を契約書に記載することも多いですが,この点に関してもこれを禁止するような法律の内容はないと考えて良いでしょう。
ただし,販売店契約に期間の定めを置かない場合には注意が必要です。
イスラエルの判例により,期間の定めのない販売店契約の場合には,契約を終了させるためには合理的期間の猶予を定めて通知しなければならないとされているからです。
イスラエルの裁判所は様々な要素を考慮して合理的な猶予期間を定めますが,例えば,販売店が契約終了後に次の収益源を確保できるか,これまでの販売店契約の期間で販売店が投下した資本がどの程度回収できているのかなどを考慮します。
具体的な期間としては,一概に言えませんが,3ヶ月程度から1年位とされることが多いようです。
もし,サプライヤーが十分な猶予期間を設けずに販売店契約を終了させた場合,賠償金の支払いが命じられることがあります。
② 紛争解決
イスラエルはニューヨーク条約加盟国なので,日本企業とメキシコの企業との間の販売店契約の場合,紛争解決については,強制執行の便宜を考え,裁判ではなく仲裁(Arbitration)を選択することが多いです。
以上が,日本企業がイスラエル企業を販売店として指名し同国に進出を考える際に最低限知っておいたほうがよい法制度の概要です。
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