Conditional Fee Agreement(英文契約書用語の弁護士による解説)
英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正をする際に登場する英文契約書用語に,Conditional Fee Agreementがあります。
これは,英文契約書で使用される場合,通常,「完全成功報酬契約」という意味で使用されます。
略してCFAと表記されることが多いです。
Conditional Fee Agreementを直訳すると,「条件付き費用契約」のようになります。
ただ,このCFAは,弁護士に依頼するときの契約書によく使われる用語の一つで,実質的な意味は,完全成功報酬型の契約という意味になります。
交通事故の被害者が,加害者に対して損害賠償請求をするときなどによく利用される契約形態です。
より具体的に説明すると,もし損害賠償請求で請求が認められれば弁護士報酬が発生するが,認められなければ報酬は発生しないという契約です。
着手金(弁護士に依頼するときに請求の成功・不成功とは関係なくかかる弁護士費用)も発生せず,あくまで請求が認められたときにだけ弁護士費用がかかるので,「完全」成功報酬型と呼ばれています。
海外の弁護士に依頼するときは,ほとんどがタイムチャージ(時間制報酬: Houly Rate Charge)ですので,普通は弁護士がその案件で使った時間に比例して弁護士費用がかかります。
これに対し,CFAでは,前述したとおり請求案件に関し,勝った場合にのみ弁護士費用がかかるということになっています。
弁護士側にリスクがあるので,報酬額は高めになっていることが多いです。
このような特徴があるので,CFAは一部の種類の案件でのみ認められた特殊な契約だと理解しておきましょう。
交通事故がその典型例なのですが,これは,加害者が通常保険に加入しているため,請求が認められた場合に取りはぐれがないというのが理由の一つになっています。
請求が認められたのに,相手方が支払いをしないと,回収ができず,弁護士費用の支払い目処がたたないというリスクがありますが,保険会社がバックに入ればその心配はないというわけです。
それほどメジャーな契約形態ではないですが,理解おくと良いかと思います。