Automatic stay(英文契約書用語の弁護士による解説)

 

 英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正する際によく登場する英文契約書用語に,Automatic stayがあります。

 

 これは,英文契約書で使用される場合,通常,「自動停止」という意味で使用されます。

 

 このautomatic stayという用語を契約書そのものに記載することはあまりないかもしれませんが,アメリカの連邦倒産法で定められている制度なので,英文契約に関連して理解しておくと良いかと思います。

 

 連邦倒産法(Bankruptcy Code)は,米国連邦政府の連邦法の一つで,個人・企業の倒産処理手続を定めた法律です。

 

 Automatic stay(自動停止)は,この倒産手続きの中で認められた制度です。

 

 連邦倒産法の下では,倒産手続が開始されると,債務者に対する訴訟などの法的手続や,債権者のの取立てなどが禁止されることになります。

 

 さらに,抵当権などの担保権を取得している者もその実行が禁止されることになります。

 

 この担保権の実行禁止は,別途裁判所の命令などを必要とせずに自動的に効力を生じるため,automatic stay(自動停止) と呼ばれています。

 

 日本では,担保権は別除権として倒産手続きの外で行使することができ,優先権を認められていますが,上記のアメリカの制度ではこの点が異なるということになります。

 

 なお,連邦倒産法のautomatic stay(自動的停止)の効力は相殺(set-off)にも及びます。

 

 日本では,相殺には強い担保的機能が認められていて,倒産手続きが開始されても一定の要件の下,相殺することができるのと異なっています。

 

 ちなみに,裁判所は,債権者など利害関係人の求めがあり,正当な理由がある場合(例えば,automatic stayを継続すると債権者が本来の支払いを受けられなくなる場合など)には,automatic stay(自動停止)を解除することがあります。

 

 この解除はrelief from stayと呼んでいます。

 

 取引先の外国会社が倒産手続きに入ると,回収は非常に困難になるのが一般的です。

 

 倒産の噂を聞きつけたら,早めに現地の倒産法の専門弁護士に相談し,回収に向けて行動を開始することをおすすめします。

 

 とはいえ,法律で許された範囲内での回収行為しかできませんので,普段からできるだけ売掛を多く残すような取引形態にしないということが基本になるでしょう。

 

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