Proceeds(英文契約書用語の弁護士による解説)
英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正する際によく登場する英文契約書用語に,Proceedsがあります。
これは,英文契約書で使用される場合,通常,「収益」という意味で使用されます。
Proceedsと複数形で名詞として使われた場合,上記の「収益」という意味になることが多いです。
契約書というより,海外の弁護士とのemailのやり取りなどのコレスポンデンスでは,動詞でproceedという用語もよく使われます。
これは,法的手続きなどが「進行する」という意味で使われることが多いです。
海外の弁護士に法的トラブルの処理を依頼して進めてもらう際に,chould you please proceedというような表現でお願いすることがよくあります。
Proceedsという用語は,収益を基準として,その何%か一定の割合をコミッション(commission)やロイヤリティ(royalty)などの報酬として定める場合に,登場することがあります。
コミッションなどを定めるときは,その計算方法について当事者間の理解がずれていると,後にトラブルになることがあります。
そのため,計算式や具体例を書き込むなどして,何が収益に含まれて何が含まれないのか,税金はどう考えるのか,源泉徴収はあるのかなど,当事者間に誤解が生じないように細かく規定するのが無難です。
言うまでもないですが,国際事業をするのは何らかの方法で収益を上げて,事業を継続することが目的の一つになりますから,収益に関する条項は最も重要な条項の一つです。
ここに誤解があったり,あいまいな点があったりすると,後の紛争の大きな火種となる可能性が高まります。
そのため,proceedsなど金銭に関わる用語が登場した場合,その内容にあいまいなところはないか,複数の解釈が成り立つ内容を含んでいないかなど細かく審査する必要があります。
契約書で金額を表現する場合,利益を差すのか,売上を差すのか,税引前なのか税引き後なのかなど,お互いが当然の前提としているところが実は一致していないということもよくあります。
そのため,相手も自分と同じように理解していて当然と考えるのではなく,誰が読んでも同じように理解することができるように細かく規定することが重要といえます。