Abatement(英文契約書用語の弁護士による解説)

 英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正をする際によく登場する英文契約書用語に,Abatementがあります。

 これは,英文契約書で使用される場合,通常,「減少/減額」という意味で使用されます。

 英文契約書では,代金などの減額を表すときにこのabatementという用語が使用されることがあります。

 例えば,abatement claimとすると「減額請求」という意味になります。

 契約書で一度定めた金額でも,何らかの理由で金額を減額することを認めることがあります。

 減額を認める場合は,どのような要件を満たせば減額できるのかについて事前に明確に定めておくことが非常に重要です。

 一度定めた金額を増減するのは,もちろん例外的な場面ですので,明確かつ減額な要件を契約書に定めておかないと,トラブルの元になると思われます。

 例えば,一度決めた代金なのに,売主の一存で代金が簡単に増額変更されたり,買主が品質問題についてクレームを出しさえすれば,証拠をもって品質問題について確認もすることなく代金が減額されたりすれば,トラブルになりやすいことは容易に想像できるかと思います。

 契約書で重要な要素はいくつもありますが,特に金銭に関する条項はビジネスの根幹に関わる問題ですので,非常に重要です。

 そのため,abatementという用語が登場したら,金銭の減額に関する何らかの条件が書かれている可能性が高く,すなわち,ビジネス上非常に大切な内容を含んでいることになります。

 なお,一度決めた金額を一切変更できないとするのも一つの方法ですが,契約した当時には予見しなかった環境の変化などによって,一度決定した金額を維持するのが不合理になることもありえます。

 こうした場合に備えて,もし契約時に予見しなかった急激な環境変化が生じた場合,金額などの契約条件を変更することができるという内容の条項を契約書に入れることがあります。

 このような条項は「ハードシップ条項」と呼ばれています。

 ハードシップ条項を見つけた場合には,条件を変更できる状況が具体的で明確に書かれているか,変更できる場合の要件は何か,変更できるとした場合の変更範囲はどの程度なのかなど,取り決めが十分な程度になされているかを精査する必要があります。

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