Opinion letter(英文契約書用語の弁護士による解説)
英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正する際によく登場する英文契約書用語に,Opinion letterがあります。
これは,英文契約書で使用される場合,通常,「意見書」という意味で使用されます。
この意見書を作成する主体としてよく想定されているのは弁護士です。
例えば,日本企業が海外企業とのあるビジネスを共同して行おうと考えている際に,そのビジネスが海外の現地法に照らして適法であるかなどを事前に調査する必要があるとします。
こうした際に,弁護士のopinion letterを取り付けて,適法性が確認できた場合にのみ,ビジネスを実行するなどと約束する際に,opinion letterという用語が使われることがあります。
その他にも,例えば,日本のサプライヤーが,海外の販売店(Distributor)との間で販売店契約(Distribution/Distributorship Agreement)を締結し海外進出をしようとする際に,現地の販売代理店保護法など,販売店を保護する法律について事前調査をすることがあります。
この場合にも,現地の弁護士を探して,販売店契約の内容を伝え,リスクを分析してもらい,その結果を意見書にまとめてもらうということをすることがあります。
もちろん,弁護士以外の専門家に意見書の作成を依頼することもあると思いますが,海外取引に関してよく作成を依頼する典型例が弁護士のopinion letterといえるでしょう。
前者の例では,契約書で相手方の費用で相手方が雇用する弁護士の意見書を提出しなければならないとすることがありますが,後者の例では,通常は自社が自費で弁護士を探し意見書を出してもらうことになると思います。
弁護士を含む専門家に調査や意見書の作成を依頼するには当然ですが費用がかかります。
これらの費用をどの当事者が負担するのかということも,話し合って決定し契約書に記載することもあります。
一般的には,自社にとって必要な調査などを弁護士に依頼してかかった費用は自社が負担する,つまり各自が依頼した弁護士への費用は自分で負担すると取り決めることが多いと思います。
専門家の意見書の内容によっては,想定するビジネスでの利益が見込めず,海外展開を断念せざるを得ないということも現実には結構ありますので,opinion letterの役割は大きいといえるでしょう。