Tarnish(英文契約書用語の弁護士による解説)
英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正する際によく登場する英文契約書用語に,Tarnishがあります。
これは,英文契約書で使用される場合,通常,「(名誉や評判などを)汚す/傷つける」という意味で使用されます。
例えば,販売店契約(Distribution/Distributorship Agreement)などでは,サプライヤーが販売店(Distributor)に対し,自社の商標を使用することを許諾します。
その際に,サプライヤーの商標やロゴが有するブランド価値を毀損されては困るため,そのような行為をしないことを誓約させるのが一般的です。
この「商標やロゴの価値を毀損しない」という内容を記載するときに,「毀損する」という意味で使用されるのがtarnishです。
当然ですが,商標やロゴが持っているブランド価値というのは非常に重要です。
消費者は,商標やロゴを見るだけでその企業や製品とともに,そのイメージをを思い浮かべます。
そのため,商標やロゴを不適切な方法で使用されると,本来サプライヤーが持っているブランドイメージが変わってしまったり,ダメージを受けたりすることがあります。
例えば,富裕層向けの高級なイメージで売っている商品のロゴを,親しみやすさを出そうなどという狙いでポップなデザインに変更してしまったりすれば,元の顧客層が離れてしまうおそれがあることは容易に想像できると思います。
このようなことがないように,商標やロゴはサプライヤーが指定する方法でのみ使用が可能で,価値を損ねるような使用方法は用いることはできないと契約書に定められるのです。