Embody(英文契約書用語の弁護士による解説)
英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正する際によく登場する英文契約書用語に,Embodyがあります。
これは,英文契約書で使用される場合,通常,「…を具体化する」という意味で使用されます。
抽象的なものを具体化,具現化するというニュアンスで契約書に登場することがあります。
よく登場するのは,秘密保持契約(NDA)においてです。
例えば,...products embodied in the Confidential Informaiton...(秘密情報において具現化される製品)などとして登場します。
どういう文脈で使われるかと申しますと,「本秘密保持契約を締結したとしても,情報受領者が本秘密保持契約に違反しない限り,本件秘密情報において具現化される競合品などを開発することを妨げられるものではない」というような内容で使われます。
その秘密情報の中で具体的に競合製品などが開発される可能性があるとして,その開発行為を,情報受領者は秘密保持契約の締結によって禁止されるものではないという内容です。
秘密保持契約に違反した場合は別論ですが,違反しないのであれば,その秘密情報から想定される新たな製品などはもともと情報受領者が独自に開発する可能性があるのですから,その開発行為を不当に制限されるいわれはないため,このような条項が入れられることがあります。
もちろん,情報開示者から開示された秘密情報を契約目的とは別に利用して,新たな製品開発などをしてはならないのは当然です。
そうではなく,独自に製品開発をしていて,「たまたま」情報開示者から開示された秘密情報から具現化できる商品を開発したとしても,それをもって秘密保持契約違反と言われることはないという意味です。
Embodyが上記のように秘密情報の使用の文脈で登場するときは重要な内容を含んでいる可能性が高いので,内容を精査する必要があります。
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