Optimal/optimum(英文契約書用語の弁護士による解説)
英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正する際によく登場する英文契約書用語に,Optimal/optimumがあります。
これは,英文契約書で使用される場合,通常,「最適な」という意味で使用されます。
例えば,optimal/optimum inventory levelsとすると「適正な在庫レベル」という意味になります。
販売店契約(Distribution/Distributorship Agreement)などで,サプライヤーが販売店(Distributor)に継続的に現地で商品を販売展開してもらう場合,現地の顧客の需要に応えるため,適正在庫を販売店(Distributor)に確保しておいてもらうことが大切です。
せっかく顧客のニーズがあるのに,品切れ状態が続いてしまうと,顧客が離れてしまう可能性がありますし,機会損失が広がってしまうからです。
そのため,販売店契約(Distribution/Distributorship Agreement)に,販売店(Distributor)が適正在庫を維持することを義務付ける条項を入れることがあります。
この「適正な」という意味を表す用語としてoptimalやoptimumが使われることがあります。
類義語としては,properなどが挙げられます。
もっとも,何をもって「適正」と言えるかは明確ではないというデメリットがありますので,具体的に在庫レベルを数値化して記載することも考えられます。
ただ,独占的販売店契約(Exclusive Distribution/Distributorship Agreement)などでは,別途最低購入数量/金額(Minimum Purchase Quantity/Amount)も記載されますし,在庫をどの時期にどれだけ保有するべきかは,難しい問題でもありますので,数値化するのが必ずしも良いとは限りません。
サプライヤーとしては最低購入数量/金額(Minimum Purchase Quantity/Amount)を守ってもらえれば一定の利益は確保できますし,商品によってはたくさん売れる時期とそうではない時期があったりするので,一概に適正在庫を数値化することはできないからです。
販売店(Distributor)にとっては在庫を持つのはリスクですので,optimal/optimumという表現で表されたときにな,具体的にどの程度をサプライヤーが想定しているのかについても議論しておいたほうが良いかと思います。
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