Quorum(英文契約書用語の弁護士による解説)
英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正をする際によく登場する英文契約書用語に,Quorumがあります。
これは,英文契約書で使用される場合,通常,「定足数」という意味で使用されます。
このquorumという用語は,例えば,日本企業が海外進出する際に締結するShareholder Agreement(株主間契約)やJoint Venture Agreement(合弁契約)などで登場することがあります。
海外の現地法人に出資する場合,当該現法の経営・運営のルールについて取り決めることが重要です。
より具体的には,株主総会で決議する事項や取締役会で決議する事項を取り決め,それぞれどのような要件で決議できるのかを決定します。
その際に問題になるのが株主総会や取締役会が有効に成立するための定足数です。
この定足数が満たされないと株主総会や取締役会が成立せずそもそも決議ができません。
有効に決議をするためには,定足数を満たした上で,さらに必要な投票数を満たさなければなりません。
例えば,取締役の3分の1以上が出席し(定足数),出席した取締役の過半数をもって決議するというように定足数は意味をなします。
決議すべき内容によって,定足数や決議要件が異なってきますので,現地法人を運営する際には,当然ですがこれらを正確に把握し,ある程度自社が経営への影響力を行使できるように設計しなければなりません。
とはいえ,日本でいうところの会社法に相当する法律が現地にも存在し,それが現地法人の運営に適用されるのが普通ですので,その意味では,株主総会や取締役会の運営には一定の制限がかかるでしょう。
現地の弁護士などに相談し,現地の会社法に相当する法律を加味しながら,現法の有効な経営・運営について把握するのが正しい姿勢といえるでしょう。
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