In its entirety(英文契約書用語の弁護士による解説)
英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正する際によく登場する英文契約書用語に,In its entiretyがあります。
これは,英文契約書で使用される場合,通常,「全体として」という意味で使用されます。
部分的にではなく,全部が対象になることを表したいときに英文契約書ではよく使用されます。
例えば,すでに契約書を締結した後にその契約内容を変更したいと考えたとします。
そのような場合は,覚書(MOU)や改定契約書(Amendment Agreement)を作成して,元の契約の内容を変更することになると思います。
そして,変更の内容として,一定の条項全部を削除するということがあったとします。
そのような条項全部の削除をするという意味を表すときにin its entiretyという用語が出てくることがあります。
例えば,Article 10 of the Agreement is deleted in its entity.(本件契約の第10条全部を削除する。)などと使われます。
条項の一部を削除するということもありえますが,そうはせずに条項の全体を削除するということを明確にするために上記の表現を取ることがあります。
上記のような場合in its entiretyという用語を入れなくても,条項全部を削除することはわかると思いますが,より明確化するために加えていると理解すれば良いかと思います。
このような例に限らず,例えば,契約の解除なども契約全部を解除できるのか,それとも一部なのかなど,対象の範囲というのは契約内容として重要な意味を持ちます。
そのため,in its entirety,all,partなど,全体なのか部分なのかを表す用語が登場した場合は,その範囲を正確に把握し,その範囲で問題ないかを吟味する必要があります。
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