Provisional(英文契約書用語の弁護士による解説)
英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正する際によく登場する英文契約書用語に,Provisionalがあります。
これは,英文契約書で使用される場合,通常,「仮の/暫定的な」という意味で使用されます。
対義語は,definitiveです。こちらは「正式な」というような意味です。
仮の契約書,仮の合意書や仮の地位などというニュアンスを出したいときにこのprovisionalという用語を使うことがあります。
Provisonalではなく,provisonaryという用語を同じ意味で使うこともあります。
ただし,このprovisonalという用語を,「仮契約」,つまり「効力がまだない」というような意味で安易に使ってはいけません。
自分が「効力がまだない」=「仮の」という意味で使用していたとしても,法的にそのような意味として認められない,つまり,法的効力を有すると判断されることがあるからです。
「仮に」という用語を使うのであれば,その「仮に」が具体的にどういう意味や効果を持っているのかをきちんと契約書で説明しておかないと,正式な契約として効力があると判断されたり,相手方との認識が異なっていてトラブルになったりすることがありますので,十分注意しましょう。