Coverage/cover(英文契約書用語の弁護士による解説)
英文契約書を作成,チェック(レビュー/審査),翻訳(英訳/和訳),修正する際によく登場する英文契約書用語に,Coverage/coverがあります。
これは,英文契約書で使用される場合,通常,「(保険の)補償の範囲」という意味で使用されます。
アメリカ英語ではcoverageを使用し,イギリス英語ではcoverを使用するようです。
保険契約の加入者に対し,保険会社が支払う補償の範囲のことを指します。
もちろん,契約書の文脈によりますので,常にこの意味で登場するわけではないですが,insurance(保険)の条項で使われた場合は,ほぼこの「補償の範囲」を指していると考えられます。
日本語の契約書では,それほど多く見かけないかもしれませんが,英文契約書では,例えば,販売店契約(Distribution/Distributorship Agreement)のようなものでも,販売店(Distributor)に保険加入義務を貸すという内容で,保険に関する条項がよく登場します。
そして,保険契約に関する条項では,保障の内容,保険金や補償の範囲が細かく指定されて加入義務が課されていることが一般的です。
契約書で保険契約の加入と維持が義務付けられている場合に,義務に違反すれば,契約違反となりますので,注意しましょう。
英文契約書をレビューする際に,保険のcoverage/coverや保険金などの条件が記載されていた場合,その条件を守ることができるかどうかを検討して,難しい場合(保険料を考慮すると採算が合わないなど)は,交渉するようにし,安易にサインしないようにしましょう。